朽ち果てる2005年08月30日(火)00:46
『ACE COMBAT 5 The Unsung War』
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シナリオが好評のようで気になっていた一作です。 キャンペーンモードのみVERY EASYでクリア。 結論から言えば、非常に精神的負荷は大きいながらも大満足、といったところ。
ストレスの原因は何といっても難易度の高さです。 相当シビアな条件を越えなければならないシナリオもあり、特定の面で ひたすら泣かされましたが、洗練された操作性に助けられてどうにか 最易モードではありますがクリアすることができました。 ちなみにNormalは#7、EASYは#15で挫折。 せめてmission updateごとにコンティニューさせてほしかった…。 ノーセーブで3シナリオぶっ続けというのは悪夢かと思いました。
お目当てだったシナリオは、新米パイロットが政治的陰謀に翻弄されながらも 最後には救国の英雄となるまでを描く…といったもので、OPムービーを 観たときから感じていたように、非常にハリウッド的という印象。 美麗なCGグラフィックと相まって、正に一編の映画を見ているようでした。 各シナリオ間に挿入されるムービーだけでなく、フライト中に流れる 敵味方入り混じっての無線通話も、味方の進撃で高まる一般兵の士気、 最強の名を欲しいままにする主人公隊を見て恐慌を起こす敵軍、 ひたすら無責任な報道…等など、それぞれ立派にドラマを構成しています。
急転直下の導入で惹きつけ、ダウナー気味の展開が続く中盤を経て、 一気に盛り上がりを増して突入する終盤、という流れは王道ながら カタルシスたっぷり。 途中でわかりやすい「悪役」が設定されるのと、終盤に頻発する わりと御都合主義な展開…というハリウッド的側面のデメリットも 否めないんですけども、それを吹き飛ばすような演出の熱さがありました。
沈みゆく空母からの発艦、国境を越えた編隊飛行、合唱される流行歌…。 終盤の畳みかけるような名シーンは、(主にプレイヤーが)苦労に苦労を 重ねて辿り着いただけに、涙なくしては見られません。
また、日本語/英語で音声切り替えができるんですが、迷うんですコレが。 英語音声・日本語字幕で雰囲気を高めるのもいいんですけど、今作は 日本語音声の役者陣が極めて高レベル。 文字通りのカメラアイとして全体のナレーションを努める平田広明、 予想通り美味しいところを持っていく主人公隊の隊長・石塚運昇、 過去に秘密を持つベテラン整備員に大塚周夫、歴戦の空母艦長に青野武、 苦難を乗り越えて大仕事を成し遂げる大統領に田中秀幸…と、 もう外画吹き替えの雄がズラリ勢ぞろいといった感じで日本語音声でも 全く雰囲気を損ねません。
非常に完成度の高い、ナムコがその底力を見せつけた渾身の力作でした。 拍手。
「彼らは今―――東へ飛んでいる」 | | |