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◆[CY591]見果てぬ夢
日時: 2005/04/11 05:26
名前: ×書込制限:NRPS参加者のみ

★★★ 「見果てぬ夢」 ★★★

■これまでのあらすじ

自由都市グレイホークの外人区にある有名な酒場『銀龍亭』で、妙な噂を聞きつけた魔導師ボーランは、酒場のマスターとの話の最中に唐突に異空間に放り込まれた。途中、一瞬探し求めている少女のイメージを観たのも束の間、気が付くと星空の下の草原に倒れ伏していた。ボーランを介抱してくれたカーシャと共に、取り敢えず近くにあった“天空の宿屋”なる宿に入った。そこで出会ったのは、“魔導専門”の傭兵『紅いペガサス』と名乗る者達だった…。

■現在の主要登場人物

☆ ボーラン
 DEMI-GODのステイタスを持つ大魔導師。
☆ シザリオン・ウェルザイル・ハイウィンド
 聖戦士キース・ウィンザーの妹にして、“大地の力”の加護を受けている。愛称はシオン。父親はウィンドライダーであったローデリアン・ハイウィンド、母親は闇の魔導師であったプリセイラ(プリス)・ウェルザイル。
☆ カーシャ・v・ラダノワ
 通称“紅の龍騎士”。漠羅爾(バクラニ)新王朝の『龍位の騎士』で第二位を拝命している。剣と魔導の両方に優れ、その名はイースタン、ウェスタンに知れ渡っている。現在連合騎士団に出向中。
☆ 知恵の女神
 “創世の七柱”(ビルダー)に続く高位のDEITY。『最果ての島』に住む。
☆ ファビアン・ヴァリェ
 魔導専門の傭兵、『紅いペガサス』のリーダーで僧侶(C16)。
☆ リラゼル・レスコー
 魔導専門の傭兵、『紅いペガサス』の一人で聖騎士(CVP14)。
☆ ガーレーン・雷剛
 魔導専門の傭兵、『紅いペガサス』の一人で剣と魔導を操る戦士(F17/M12)。

■注意事項

これは「3i-NRPS」専用です。このスレッドには、このNRPSシリーズに参加している方のみが書き込み出来ます。御了承下さい。

[最終更新:上記日付の通り]
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CY???-??-初日-22-10 ( No.40 )
日時: 2003/10/12 09:50
名前: ボーラン
参照: 星空の十字路

「あ、いえ…すみません。…どうやら、前にいた所に大切な物を置き忘れてきてしまったようで…」

半ば呆然としたまま彼女に、突然奇声を上げたことのわびを入れると、ここを探しても無駄とは思いつつも、きょろきょろと辺りに目を走らせる。

“むむむ…やはり、調べるなら呪文を使うしかないか…?”

そう考えながら、念のために彼女に尋ねてみた。

「…カーシャ殿、私のそばに両手剣は落ちていませんでしたか?」
CY???-??-初日-22-11 ( No.41 )
日時: 2003/10/12 10:25
名前: カーシャ
参照: 星空の十字路

「剣か? いや、私の歩いてきた道すがらには見当たらなかったが。しかし…」

思案する様にして、

「…宿の主ならば、私より知ることも多いだろう。ひとまず、宿に向かうことが最良だと思うが」

指さす方向には、星明かりの中にぼんやりと石造りの平屋の輪郭が見えた。
CY???-??-初日-22-12 ( No.42 )
日時: 2003/10/12 11:56
名前: ボーラン
参照: 星空の十字路

「そうですね…一応調べてみますので、ちょっとだけ時間をもらえますか?」

そう断ってから呪文を詠唱する。…糸に象牙の板、そこにインクを垂らす…Rary's Mnemonic Enhancer。低いレベルの呪文を覚え直すための呪文。そしてすぐさま先の別れた小枝を取り出すと、覚え直した呪文、Locate Object を使用する…探す対象はもちろん両手剣。そうして周囲を探査するが…やはり反応は無かった。探れる範囲は400'近いはずだから、この範囲に無いのであれば共に落ちて来た可能性は…皆無だろう。

「だめですね…やはり見あたらないようです…」

そう話す口調は、自分で思っていたより暗くはなかった。どうやら呪文を使用することで、頭の切り替えが出来たようだ。

「そうですね…カーシャ殿のおっしゃられるように、ひとまず宿の主に相談して見るのが良さそうですね。お待たせしてすみませんでした」

そう言って彼女に向かって頭を下げる。それから、宿に向かってゆっくりと歩き始めた。
CY???-??-初日-23-01 ( No.43 )
日時: 2003/10/12 10:26
名前: カーシャ
参照: 星空の十字路→天空の宿屋

「苦労性のようだな、貴公は」

うっすら笑みを浮かべると、宿に向かって歩き出した。星空の十字路から、天空の宿まではほんの僅かな距離だ。

『ギィィ』

重い樫の扉は僅かに軋んで開いた。中から漏れだした明るい光が、闇を仄かに染める。カーシャは室内にはいると、迷わずカウンターに座った。周囲を見ると、客はカーシャとボーラン、それからカウンターの向こう側のバーマスターの三人だけだった。
CY???-??-初日-23-02 ( No.44 )
日時: 2003/10/12 09:56
名前: ボーラン
参照: 星空の十字路→天空の宿屋

「そうですね。よく言われます」

少し困ったように笑いながら、そう答える。宿へと向かう歩みは、自然と彼女の後を付いていく形になる。

それから程なくして宿に着くが…開かれた扉の前で、ふと立ち止まった。

“うーん、なんとなくデジャビュー?”

そんなことを考えながらゆっくりと扉をくぐると、最後に星空を一瞥してから静かに扉を閉じる。そして…少し躊躇してからカーシャの隣に腰をおろした。
CY???-??-初日-23-03 ( No.45 )
日時: 2003/10/12 11:38
名前: カーシャ
参照: 天空の宿屋

「どうして、この地に来たのか。それを聞いていなかったな」

酒場のマスターに赤を、と声を掛けながら言う。

「先程も言ったが、この地は“星空の十字路”と呼ばれる。迷える魂が、一時の憩いを見出す場所と言われている」
CY???-??-初日-23-04 ( No.46 )
日時: 2003/10/12 10:19
名前: ボーラン
参照: 天空の宿屋

「迷える魂、ですか…」

机の上に肘をかけ、目を閉じたまま独り言のように呟く。…しばらく、その姿勢のまま沈黙していたが、やがて彼女の方に向き直るとこう答えた。

「何故を言うよりは、何がしたいのかを答えるべきでしょうね。私は、“聖剣の影”と呼ばれる物を探しています。探してどうするかは、今の段階では何とも言えませんが、とにかくその力が邪な使い方をされないようにするつもりです」

ここまで言って一息つくと、(念のために『情報…時価』の値札がないことを確認してから)マスターに何か暖かいモノを、と注文する。それから再び、彼女に向かって言葉を続けた。

「おそらく私がこの地に来たことも、この件と何か関係があるのでしょう。ただ…」
CY???-??-初日-23-05 ( No.47 )
日時: 2003/10/12 10:21
名前: カーシャ
参照: 天空の宿屋

「…ただ?」

言葉尻を濁した相手にちらりと視線を振る。

「何か、心配事でも残してきたのか?」
CY???-??-初日-23-06 ( No.48 )
日時: 2003/10/12 10:30
名前: ボーラン
参照: 天空の宿屋

「……」

わずかに沈黙、いや逡巡した後、つと視線を逸らすと静かに答える。

「そうですね。それとは別に心配事…いや、やりたいことができてしまいました」

そのまま言葉を続ける。視線はカウンターの上に、しかし心の瞳はあのとき見たイメージを映す。

「ここに来る途中で、知り合いの少女のイメージをみたんです…。彼女は私のいた『時』にいるはずなんですが…だから、ただの杞憂なのかもしれません…。ただ、それが何かの啓示であるなら、私は彼女を助けたい…」

しばし沈黙した後、彼女の方に向き直り、ちょっと自嘲気味に話を続ける。

「はっきり言って根拠も何もない、知識と論理を奉ずるべき魔術師にあるまじき行為なんですけどね。まあそれはともかく、聖剣の方の手がかりはないし、さらに彼女から預かってた剣もなくすしで…なんだか、スタートから逆送してる感じですね」

そう言って、困ったように微笑んだ。
CY???-??-初日-23-07 ( No.49 )
日時: 2003/10/12 10:33
名前: カーシャ
参照: 天空の宿屋

「そうか…」

話の間に、酒場の主人が置いてくれたグラスを取ると一口含む。芳醇な芳香が広がる。

「夢だけの話ではないと思う。先程も言ったが、ここは“魂の憩う場所”とも呼ばれる。貴公がその少女に想いを寄せているので有れば、その少女と心が通じることがこの場所では十分に可能だ。それが、一瞬であったことを考えると、貴公の少女が居る次元と、この場所の位相が大分ずれているということだろう」

微かに笑うと、

「何れにせよ…重要なのはな、あちらでも貴公のことを考えていると言うことだ。お互いに想い合わねば、お互いを見ることはないのだから」
CY???-??-初日-23-08 ( No.50 )
日時: 2003/10/12 10:34
名前: ボーラン
参照: 天空の宿屋

「…そうですね…そうだったら良いですね」

彼女のまっすぐな返答に胸を突かれ一瞬言葉に詰まるが、自分に言い聞かせるように、誓いを忘れぬ為に、そう静かに口にする。…そして深く一呼吸、気持ちを切り替える。

「では、それを確かめるためにも、この地“星空の十字路”について、もっと知っておかねばなりませんね。とりあえず…この地にはこの宿の他に、どんなところがありますか?」
CY???-??-初日-23-09 ( No.51 )
日時: 2003/10/12 11:26
名前: カーシャ
参照: 天空の宿屋

「私の知ることはさほど多くはないが…」

そう言いながら、カーシャはこの場の状況を説明した。

「ここには、あのどこから来るとも判らぬ四本の街道と、この宿しかない。みえる範囲内は、ずっと草原が続いているようだ。日付の感覚が取りにくいので確たる事は言えぬが、時間はそれなりに動いているようだ」

空腹感を覚えるからな、と苦笑して言う。

「それから、ここから歩いて暫しの所に“黒き流れ”がある。この目で見るのは初めてだが…あれが、その“黒き流れ”であることは、ここの主人から伺った」
CY???-??-初日-23-10 ( No.52 )
日時: 2003/10/12 11:20
名前: ボーラン
参照: 天空の宿屋

「なるほど。私はてっきり、ここはアストラルプレーンに浮かぶ、浮島のような物なのかと思っていたのですが…そうなんですか」

うーんと唸りながら、思案する。

「ところで、その“黒の流れ”とはどのような物なのですか? …例えばレテ河のような物とか?」
CY???-??-初日-23-11 ( No.53 )
日時: 2011/01/12 17:47
名前: カーシャ
参照: 天空の宿屋

「ここは島などではない。少なくとも、私の知る限りはな」

淡々と話す。

「“黒の流れ”とは、“星気界”(アストラル)を河のように流れる“氣流”だ。闇のような黒い気流故に、斯様に名付けられた。この流れを暫く“下る”と、ラクナールス岩礁群にぶつかる。『光の三聖剣』──即ち『湖の剣』、『破邪の剣』、『雷神の剣』が安置されていた『光の塔』もここにある」
CY???-??-初日-23-12 ( No.54 )
日時: 2003/10/12 11:42
名前: ボーラン
参照: 天空の宿屋

“ま…また新たな名称が…”

「うーん…これは一通りこの星空の十字路について聞いてから、改めて質問する方が良さそうですね。すみませんが、大ざっぱでも良いので、順を追って説明していただけませんか?」

ちょっと笑って付け加える。

「順と言っても、宇宙開闢の歴史からというのは、さすがに困りますが」
CY???-??-二日目-00-01 ( No.55 )
日時: 2004/06/15 02:43
名前: カーシャ
参照: 天空の宿屋

「私は歴史家でも賢者でもない。答えられることは、己の経験のみに基づいている」

淡々とした口調は変わらない。

「だが…知る限りのことを話すことは吝かではない」
CY???-??-二日目-00-02 ( No.56 )
日時: 2003/10/12 12:04
名前: ボーラン
参照: 天空の宿屋

「経験に基づいて得られた知識は、非常に価値ある物だと思います」

少し表情を引き締めながら、そう答える。

「それが熟達した者の、であるならば、なおさらですね。よろしくお願いします」

そうしてしばし待ったものの…思考を整理しているのだろうか、彼女の沈黙は続く。

いや…これはやはり、私の聞き方が悪かったのだろう。…確かに漠然としすぎている。そう結論づけると、少し躊躇った後、再び聞き直すことにした。

「そうですね…ではよろしければ、カーシャ殿がどのようにしてここに来たのか、ここの事を知ったのか、それを聞かせていただけませんか?」
CY???-??-二日目-00-03 ( No.57 )
日時: 2003/10/12 12:06
名前: カーシャ
参照: 天空の宿屋

「…友と共に時間の狭間に迷い込んだとでも形容できるか、私の境遇はな。この場所には、数日前からいる。いや…ここで“数日”という言葉に意味があるとすればだ」

薄い笑みが口元に浮かぶ。

「空腹を覚えるので、時間は経ってはいるのだろうが、自然な場所ではあるまい。恐らく、ここは星気空間(ASTRAL PLANE)の大分奥だろうと思う」

グラスから一口含むと。

「少なくとも、望んでたどり着いた場所ではない」
CY???-??-二日目-00-04 ( No.58 )
日時: 2003/10/12 12:06
名前: ボーラン
参照: 天空の宿屋

「なるほど…そんなわけだったのですか…」

彼女の話に少し思案する。

「…つまり、お互い似たような境遇というわけですね。ところで…その口振りからだと、やっぱりここから普通に出ていくことはできない、と言うことになるんでしょうかね?」

彼女に向き直ると、質問、と言うより確認するように、そう尋ねた。
CY???-??-二日目-00-05 ( No.59 )
日時: 2003/10/12 12:11
名前: カーシャ
参照: 天空の宿屋

「そう言うことだ。少なくとも、“外”へ行こうとしても、またここに戻ってきてしまう」

既に試してみたが、と言いながらカーシャは僅かに肩を竦めた。

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