日記

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2013年6月16日(日) 思えば遠くへきたもんだ… 〜東京・柴又100k、60kの部完走〜

 と、言うことで、6/1(土)に行われた「柴又100k」といわれる、
 都内初の100kなウルトラマラソン、第一回目に参加してきました。
 自分的には、昨年の50kから10k距離を伸ばしてみたという感じでしょうか。

 じわじわと、ウルトラランナーを目指しているというところです。

「…100kなのに、100k走らなかったの?」
「…練習不足が明らかなのに、100kに挑むのは無謀でしょ…」
「やってみないと分からないじゃない…」
「制限時間無いならともかく、14時間じゃ無理でしょ…金払って『残念』はやだよ!」



 しかしまぁ、最低な感じでした…。
 前日、いきなり家族から風邪をうつされ、具合は最低。
「具合悪かったら、DNS(Do not start)でもいいか…」
 と、始発で家を出るも、一緒に出る予定だった師匠のヤル気の前に
「具合悪いので帰ります〜」
 とかいう雰囲気ではなく…そのままレース出立準備に。

 スタート会場では、吉田誠一さんや福田六花さんという、ランナーズでお馴染みの、
 有名ランナーを見かけて少しテンションあがるも、やっぱり体調は不良。うーむ。

 しかし、時間は迫り、いよいよスタート。
「もういいや、走ってから考えよう」
 …60k走るのに、走ってから考えるというのもめちゃくちゃだ。
 本当なら、人生未踏の距離を走るのだから慎重になるものだが、体調的に、
 そんなことを考えている状況ではなかったのだ…今思えば。

 で、スタート。じわっと、キロ7分程度のペースで進む。
 レース環境は最悪。6月初旬なのに、暑い。28度もある。湿度も高い。
 普通なら、練習でも敬遠するような環境だが、前に進むしかないので進む。
「思えば遠くに来たもんだ…」
 つくづく思った。高校球児時代は、長距離がキライでキライで、1.5k走りさえも、
 どうにか理由を付けてサボっていた。それが、60kを走るってんだから…。
 人間、変われば変わるもんだし、思ってもみないような事になるもんだな…。

 走っていても、体調は全然良化しない。ってか、するわけ無い。
 でも、不思議とテンションはあがっていった。河川敷を走るということで、
 単調さを予想しゲンナリしていたが、意外と景色が移り変わって面白かったのもある。
 河川敷ではあるが、堤防の最上部を走るので、意外と遠くまで景色が見渡せて、
 これはこれで面白い。走っていて、気がまぎれた。

「10k来た…あと10k走って、やめるか考えよう…」
 もう、精神状態がおかしいのが分かる。もし、あと10k走ったら、片道20k。
 そこから引き返したら40kになるわけで、フルマラソン相当の距離だ。
 別にそれでもいいんじゃない、みたいな状態になっているのがオカシイ。

 あー、もー、だりーなー、と思いながら、20kまで来た。2時間半。遅い。
 でも、まだまだ体は持ちそうだ。痛いところは無い。ダルいぐらいだが、
 そりゃ、人間20kもこの環境で走れば、具合も悪くなるだろう。

「20k来た…あと10k走って、やめるか考えよう」
 30k地点でリタイアしても、歩いて帰るという状況になるだけで、
 ちっとも「やめる」ということではないのだが、そういう精神状態になっていた。
 前向きなのか、後ろ向きなのかさっぱり分からない。

 しかし、腹が減ってきた。
 このレース、ちっとも給食が無い。補給がフルマラソン程度で、ウルトラらしくない。
 運営がランナーズの会社だから期待していたが、やっぱり初回だけに、
 全然上手く事が運んでいない。うーむ…去年のいわて銀河が天国に思えるぜ。
 25k地点のエイドでは、ラーメンが給食されていたが、ゆでるのに時間が掛かるので、
 とんでもない列になっていたためパス。結局、3時間以上、何も食わずに走り続けた。
 …普通のフルでも、そんなこと今までなかったぞ!

 30k地点の折り返しの手前まで来た。
 道端のおばちゃんから
「今、お茶とコップを沢山買ってきたから、帰りに飲んでね!」
 と、声をかけられた。な、なんて優しい…(T-T
 ウルトラは、人の優しさに触れるマラソンだ…これは、どこでも変わらないね。

 30k地点、折り返し。
「後は帰るだけだ…歩いても制限時間内だな…しかし、腹減った…」
 腹減った、とか、平和な感覚だよな…。
 100mほど折り返したところで、例のおばちゃんと遭遇。早速お茶を貰う。
「ふー、生き返りますー…。しかし、腹が減った…」
「あら、そう!?きゅうりあるわよ?食べる?」
「い、頂きます!」
 きゅうりでも嬉しい!固形物が身にしみる〜。
「うまいっすー。あー、腹減ったー」
 すると、隣にいた全然別の方が
「あらあら。海苔巻きあるわよ!食べる?」
「い、頂きます!」
 う、嬉しすぎます!なんて優しい人たちだ…(T-T

「頑張ってねー」
 ありがとうございますー!と大きく応えながら帰路に着く。
 あと29.9kmだ。…あと29.9kmとか、普通じゃねぇなぁ(笑
 復路初のエイドは、例のラーメンエイド。麺を待っていると時間が掛かるので、
 とりあえずスープだけもらう。
「え、スープだけ?それだけでいいの?」
「塩分補給の為っす」
「あー!そうかー!」
 …そうなのだ、そろそろ、脱水の可能性が出てきた。
 ここで、塩を大量にとっておかないと、湘南のときのように脱水になる可能性がある。
 脱水になると、普通の水分は摂取できなくなるので、早めの対策が必要だ。
 といっても、水を飲みすぎると、胃がたぽたぽするし、なにより、胃液が薄まり、
 胃に不調をきたす。ここらへんのさじ加減が難しい。ウルトラとか、走るだけ
 じゃないんだよなぁ…。

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