日記

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2012年7月10日(火) 第8回 いわて銀河100kmチャレンジマラソン 50kmの部 完走記 その5(走・その5)

 25kmの標識を写し、トボトボと歩き出す。まだ半分だ…大丈夫かよ…。
 と、ここで、後ろから併走していた方が追いついてきた。
「一休み?」
 ええまぁ、みたいなあいまいな感じで応える。
 先行され、背中が段々と小さくなる…追いかけねば…。
 ぐだぐだしててもしょうがない、進まなければゴールはこないからな…。

 しかし、気合が入らない。雨はどんどん酷くなる。寒い…。
 目の前は淡々とした道が続いている。しかも、坂の勾配がきつくなってきた…。
 26、27kmと進み、27kmを過ぎると、そこはもう山の中だった。
「…箱根駅伝かよ…」
 ゲンナリする…かと思いきや、この発想が良かったのか?
 そうだ、この坂だ!坂に挑む!?かっこいいじゃん!そう思えてきた!!
 いけいけっ。登れっ!脚を出すのだ!ん!脚が動き出した!加速する!
 スピードがでるっ。戻ってきた…キロ6分台のスピードが!
 とにかく登り、27k過ぎのエイドでコーラを補充し、すぐに出立する。
 まだ登りか!いい、このまま登ってやる!

 2kほど…時間にして12分ほど走っただろうか。
 雨はかなり激しくなり、帽子は雨を吸えるだけ吸い込んで「くそっ重い!」とまで、
 口走りそうになるような状況で、クネクネとうねる山道を登っていくと、
 目の前にトンネルが見えてきた。!!。
「分水嶺だ!」
 何かで読んだことがあった。山道のトンネルは、大概、最上地点に作られる事が多く、
 それは分水嶺の証であると。つまり…ここからは下りだ!

 思わず立ち止まって空を仰ぐ。トンネルがご褒美に見える…。
 あまりのありがたさに、デジカメを取り出して写真を撮る…が、このトンネルの写真、
 ここまでの道程がなければナンとも思わないかもしれないなぁ(苦笑

 カメラをしまい、トンネルに脚を踏み入れる。
 かなり短いトンネルで、100mほどですぐに外に出た。するとどうだろう。
 入り口とは比較にならないほどの土砂降りになっている(汗 だが…だが!
 目の前に広がる風景は…谷!そう、下り坂。待望の下り坂が、遠くまで伸びている!
 やった!ここまでくれば…!!

 想いっきり脚を踏み出す。下りは得意だ。
 足全体で着地するように加速していく。この急坂は3kほど続くはず。ここで、
 キロ6分未満で走り、3分は縮め…気持ちに弾みをつけたい。
 加速する、想いっきり走り始める。あまり脚を使うと、最後まで脚がもたなくなる…、
 なんて事は思わなかった。まだ20kmも残っているが、不思議と脚については、
 自信があった。なんでだろう…?

2012年7月16日(月) 『awake/もう一度』(下田麻美) レビュー

『awake/もう一度』(下田麻美) 評価:★★★★

 6月27日発売のあさぽんCD。早速購入。
 awakeの方はシャイニングフォース新作の主題歌ってことで、それっぽいアレンジ。
 歌い方も「ああ、あさぽんだねぇ〜」と妙に納得してしまう。個人的には、
 まゆさわ2度目の『KEEP ON DREAMING』を思い出した(^^

 「下田麻美さんって、どんな歌を歌ってるんですかね?」
 と聞かれたら、本人の意見や俺の意見は差し置いても、黙ってこれを差し出せばいい、
 そんな曲かな?大体の人は、ふんふん、って感じだろう。

 で、c/w(?)の『もう一度』。
 個人的にはまず、「来たっ!」という言葉しか出なかった、実に下田麻美らしい一曲。
 一曲目が『あさぽんらしい曲』ならば、こちらは『あさぽんそのもの』な曲と言えよう。
 歌詞カード見たら、やっぱり本人作詞だった…世界観がどこまでも『下田麻美』だ。
 コード進行やアレンジも、あさぽんの本質を見抜いている運びが気持ちいい。
 この曲に同じ想いを感じた人とは、無条件で親友となれそうな気がする一曲だ。

 ちなみに、今回はジャケットも素晴らしい。
 ジャケットのためにもう1枚買うか、と思わせてくれる出来だし、改めて、
 あさぽんは可愛いのぅ、とも思わせてくれた。カメラマンとデザイナーの愛を感じる一品だ。

 評価は★4つ。内訳は、2曲目★★、ジャケット★★。(1曲目はニュートラル)
 1つ減点は、ブログの方で明確な発売の告知なく残念な気持ちになったことから(苦笑



 どうでもいい余談だが、自分が高校生んときに寮へ持込不可だったTVとゲーム機を、
 停学のリスクを犯してまで購入し持ち込んだのは、シャイニングフォースUをしたいがためだった(笑
 結局、抜打ち検査ですぐに持込がバレるのだが、まぁ許してやろうと学年主任が見逃してくれたのも、
 まぁ、今となってはいい思い出である(笑
 成績的には留年しそうな劣等性だったが、なぜか、こういうのは大丈夫だったなぁ(笑

 そんなシャイニングフォースUを作ったのは、あの内藤寛だったりするわけで、
 それだけでも数奇なもんなのだが、四半世紀を経て、その後継でこうなったりするもんだから、
 人生はなにがどう回ってくるのか分からないもんだなぁ、とつくづく思うねぇ(笑

2012年7月28日(土) 第8回 いわて銀河100kmチャレンジマラソン 50kmの部 完走記 その6(走・その6)

 1kmほど下ると無人のエイドがあり、氷水の張った樽の中にペットボトルの水が。
 さすがに豪雨の中で氷水は…と思ったが、このエイドが優しさだなぁ、と思い、
 立ち止まってペットボトルを一つ頂き、持ちながら再び走り出す。
 まだまだ下りだ…心拍は150ぐらいでキロ6分が出ている…。

 下り坂とはいえ動く足に感動し、改めて走れる喜びに浸る…そう、嬉しいのだ。
 そして、何より楽しい…!思わず笑みがこぼれてくるほど楽しくなってきた(笑
 フルで30kmというと、大概キツく苦しく、一番楽しくない地点のはずなのだが、
 今回は違ったのだ…なぜだろう?

 ピークから3km地点、坂が弱まり殆ど平坦な林道となった。坂の助力がなくなり、
 再びラン&ウォークモードに戻る。ただし、回りは100km、50kmの部にかかわらず、
 歩いている人ばかりになってきているので、相対的にはスピード感が出てきた。
 しかし、ウルトラは恐ろしい…100kmの部の方は、もう人間とは思えない状態だ。

 まもなく雨が上がり、再び綺麗な青空と厳しい日差しが戻ってきた。
 なんだか南国みたいな通り雨だったなぁ、と思う。そして、日差しも南国のよう。
 雨水が一気に水蒸気となり、湿度は上昇し息苦しくなる…が、それはもうどうでもよかった。
 靄の向こうに消える道を見ているだけで、なんだか嬉しくなっていた。
 宮沢賢治の愛した森を走っているというだけで、感無量…。

 そして、100kmの方には大きな関門、86kmのエイドに到着した。
 小さく食べやすいオニギリを頂く…美味い!塩気が身にしみる!
 そして、なによりコーラが美味い!このコーラの美味さこそが、ウルトラだなぁ!
 普通、運動中にコーラなんて飲まないし、当然フルのエイドでコーラなんて出ない。
 でも、ウルトラは糖分補給と胃への刺激効果もあるのか、コーラが良く出る。
 これが美味いのだ!理屈はどうでも良くて、とにかくコーラを飲むのが、
 ウルトラの魂を刺激してくれる…なんだか、いろいろなことが嬉しくなってきた(w
 今思えば、キツいのもあって、色々な感覚がマヒってきたのかもしれないねぇ。

 エイドの方々はみんな近隣のボランティア。
 おそらく、農作業の忙しい時期に、作業の合間を縫って助力してくださっているのだろう。
 でも、してやってる感など全くないし、本当に我々ランナーを助けようというのも違って、
 ごく自然に、何かをしている人との時間を共有したいという想いで動かれている、
 そんなのが感じられて嬉しくなる。
「これも食べ〜。これも食べ〜。」
「休めるだけ休んでいきなさぃ〜。あははっ」
 いつまでも居たくなる、そんなエイドはウルトラならではかなぁ。

 といっても、いつまでも居るわけにはいかない。
 大きな声でお礼を言って、再び走り出す。後ろからの返答に、半身を後ろに向かせ、
 手を振り応えながら進む。また、来年も来よう。強く思った。そう思わせてくれる、
 暖かい気持ちが、この道には詰まっている。

 林道を通るも、段々標高が下がるにつれ、開けた空間には田んぼが広がるようになってきた。
 初夏の稲、緑色がまぶしい。すっかり晴れた空とのコントラストも美しく、
 来てよかったなぁ、という気持ちが強まってきた。なぜか、そういうシミジミとした気持ち、
 そういうのが段々と芽生えてきた。やっぱり、ウルトラはフルとは違うのだな…。
 どこまで走るのか分からないけど、走れるのが嬉しいし、楽しくてしょうがなかった。
 相変わらず心拍は苦しく、少し走ると160に達してしまいウォークが入るのだが、
 むしろ辛いのは歩いているときで、走りたいという衝動に駆られる。
 こんなことは初めてで、なんだか物凄く嬉しかった。

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