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⇒IRC-NRPS“夢見る館”
日時: 2003/07/27 19:40
名前: ×書込制限:天査(DM)のみ

■ご注意
このスレッドは、不定期にIRCを活用して行われる「リアルタイムNRPS」の記録アップ専用となっております。故にDM以外は書き込み出来ませんので、宜しく御了解願います。

■内容に関して
“夢見る館”とは、現世(うつせ)の理(ことわり)の外に存在している、“夢見姫”レムリアが憩う館に付けられた名前です。この館では、色々な時間、色々な時代からの訪問者が、お互いに逢って話を交わすことが可能です。貴方の訪問を、館の主であるレムリア姫が、心から歓迎してくれるでしょう。

■参加方法
“夢見る館”は不定期に、IRCにて開催しております。もしも御興味がお有りでしたら、管理人までメールで問い合わせて頂ければ、次回の開催予定と開催チャンネルを折り返し御連絡致します。大体、23:00からの開催で、一回のネットセッションは二時間程度です。
メンテ
Page: [1]

時忘れの夜 ( No.1 )
日時: 2003/07/28 01:09
名前: レムリア/エリアド/アーサー/コーデリア
参照: “夢見る館”居間

■登場人物と略称
『レ』マーガレット・レムリア・オフ・ヴェロンディ
『エ』エリアド・ムーンシャドウ
『ア』アーサー・オフ・ヴェロンディ
『コ』アン・コーデリア・オフ・ヴェルナ・アンド・オフ・ヴェロンディ

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『レ』おはようございます、エリアドさま。(丁寧にお辞儀)今朝のご機嫌は如何でしょうか?

『エ』…おはよう。レムリア。ところで、質問があるのだが、かまわないか?

『レ』どうぞ。(微笑む)

『エ』…今はいつで、ここはどこだ?

『レ』まぁ。斯様なことをお尋ねになるのですか?(口元に片手を当てて、やや驚いた表情)

『エ』…すまんな。時を越えることにはあまり慣れていないのでね。

『レ』時の流れは一本ですわ。稀に混線することもありますけれども。(微笑む)

『エ』…まぁ、そういう考え方もあるな。そうではないという考え方もあるが。…それがはっきりしないと、正直きみにどう答えたものか悩む。

『レ』何時の時代で、何処であろうとも…あなたとわたくしが共にあれば、それで宜しいのではありませんか?(悪戯っぽい微笑み)

『エ』まぁ、きみがそれでいいなら、それでもかまわぬがね。

『レ』エリアドさまは、それだけでは御不満でしょうか?(ちょっと懸念の表情)

『エ』…あぁ。私は、世界を見守るために『時の神殿』で『時』に関わる力を得た。今がいつで、世界がどうなっているのかわからないのが気にならない…と言えば嘘になるな。あー。今がまだ『時の神殿』に行く前ということもあり得るがね。

『レ』ふふふ、判りました。今はコモン歴599年です。そして、ここはわたくしの「館」です──“夢見る館”と呼ばれておりますわ。(静かに言う)

『エ』ふむ。…そうなると、どうやら数年分の記憶がとんでいるということになるな。まぁ、よくあることだ。…いずれ、想い出すだろうが。

『レ』はい。どうして、この館が存在するか──そのお話しは、あなたと別途お話ししませんと。(にこにこと笑う)

『エ』ふむ。

『レ』今は、あの頃から年月が経ってしまっても、共に在られる“事実”を嬉しく思うだけですわ。(優しい笑み)

『エ』…そうだな。これからも共にいられることを願っているよ。

『レ』あなたが、わたくしに飽きるまで──

『エ』…もしくは、きみが私に飽きるまで…だな。

『レ』いいえ。わたくしが、あなたに飽きることなど…有り得ません。(謎めいた微笑み)

『エ』まぁ、きみがそう言うなら、そうなのかもしれないがね。

『レ』 まぁ! 信じて頂けないのですか?

『エ』いや。信じないわけではない。…ただ、私には未来を視ることはできないのでね。

『?』彼は、朴念仁だからな。(苦笑)お前も苦労しているのだろう。(扉より新たな人物が歩み寄ってくる)

『エ』…そちらの御仁はどなただったかな。>『?』

『レ』お兄さま。(笑顔で歓迎する)

『エ』・・・ふむ。お久しぶりです。陛下。

『ア』やぁ、ムーンシャドウ卿。ご機嫌は如何かな。(右手を差し出す)見ることろ、相変わらず妹と仲睦まじくやっているようだね。(笑)

『エ』…今の状況には、少々混乱しておりますが。(苦笑)

『ア』そうだろうな。(苦笑)この場所の特殊性だよ、貴公と私がこの時代で話せるというのは。

『エ』ふむ。この“夢見の館”ゆえということですか。

『ア』その通りだ。

『エ』なるほど。ここならば、たしかにそうかもしれませんね。

『ア』“今”の私は、“未来の私”だからな。既に国の責任も離れ、何ら憂いもない。妹とも、衒いなく自然に話すことが出来る。(笑)

『エ』ほぅ。“未来の”ねぇ。

『ア』そうだ。現世の理で言えば──既に没しているということだよ。(苦笑)

『エ』…やれやれ。そんなことではないかと思っていましたが…

『?』あなた。またお二人の邪魔をされているのですか?(新たな人物登場)

『ア』お、コーデリア。

『エ』これは…女王陛下。“夢見の館”にようこそ。

『コ』(三人に近づいてくると)おはようございますムーンシャドウ卿、おはようレムリア。

『レ』おはようございます、お姉さま。(嬉しそうに)

『ア』邪魔とはなんだね、コーデリア。人聞きが悪いぞ。(やや憮然とした表情)

『コ』事実ですわ。(やんわりと笑う)

『エ』気になさらないで、けっこうですよ。陛下。女王陛下。レムリアとの二人の時間は、いくらもありますから。

『コ』いいえ。あなたとレムリアにとっては貴重なお時間ですもの。お邪魔する訳にはいきませんわ。

『ア』む。

『レ』お姉さま──それは良いのですから…

『コ』けれども──こちらには、そうそう頻繁に居られないのでしょう?

『レ』それは…そうですけれども…

『ア』むぅ…

『コ』あなた。

『ア』なんだね。

『コ』引き上げましょう。

『エ』(苦笑)

『ア』いま来たばかりなんだがね。

『コ』(きっぱりと)ご迷惑です。

『エ』今日は、私たちの顔を見にきただけなのですか? それとも、何か?

『ア』あー、まぁ、そうだな。

『コ』この人、暇なのですの。(恥ずかしそうに)今は、“常春の国”に住んでおりますけれども、そこが退屈なのでしょう。(苦笑)

『エ』以前と違って、やらなくてはならないことが減ってしまったせい。ですか?(笑)

『ア』まぁ、そうとも言えるな。(エリアドに応えて)

『レ』お兄さま、“常春の国”は退屈なのですか?

『ア』あー、いや。そう言うわけではないが。

『エ』なんとなく、わかるような気がします。それゆえに…

『コ』毎日、管理者さまを煩わせて…こまった人。(呆れたように)

『エ』…私も『時の神殿』で『時』に関わる力を得たのですから。

『ア』貴公には、レムリアがおるであろう? この娘(こ)は時間も空間も超越しておるし──先が長いぞ。(笑いながら)

『エ』承知しております。

『ア』それ故に、我らとは異なる。また、それ故に、貴公は『時の力』を得たのであろう?

『レ』お兄さま。(困ったように)

『エ』…そうかもしれません。

『ア』世の中の理は、色々と不思議なことに満ちておるよ。貴公がその力を得なければ、レムリアは永い時の中を独りで生きて行かねばならないことになっていたのだから。

『レ』…

『エ』…今は私がおります。

『ア』そうだな。だから──私は貴公にとても感謝している。レムリアの側にいてくれていることに。この娘(こ)の寂しさを癒してくれていることに。(レムリアに微笑みかけながら)

『コ』わたしも、同じ想いですわ。ムーンシャドウ卿。

『レ』お兄さま、お姉さま…(瞳が潤む)

『エ』…あるいは単なる“偶然”かもしれませんが、その“偶然”にはいくら感謝してもたりないかと。…そう思っております。

『ア』偶然か──それは我らの知る所ではないな。いや──知るべき事柄に非ず、と言うべきかもしれん。

『エ』…まぁ、“運命の女神”の御心に触れることは、誰にとっても易しいことではありますまい。

『ア』そうだな。だが、学者などは貴公の様な立場の者を、“ヒストリカル・ステイタス”を得た、と言うらしい。

『エ』…ふむ。初めて聞く言葉ですね。(苦笑)

『コ』学者の言葉ですわ。他にも、紫の騎士さまや、黒の剣聖さまがおりますね。吟遊詩人のローヴェンデールさまも同様かと。

『レ』真理査さまもそうでいらっしゃいますけれども、あの方は別格かもしれません。

『コ』そうね、レムリア。

『ア』勉強不足だな、ムーンシャドウ卿。(笑いかける)

『エ』…面目ありません(苦笑)。

『ア』レムリアに教わると良い。

『レ』喜んでお教えしますわ、あなた。

『コ』まぁ。

『ア』おや。

『エ』そういえば、ここでなら、あのことも確められるかもしれないな…(独り言ちる)

『レ』お二人とも、どうされました?

『ア』いやな…、今ムーンシャドウ卿のことをなんと呼んだ?

『レ』“あなた”と…あっ!(真っ赤になる)

『エ』どうした?

『ア』ふふふ、よいよい。良い事ではないか?

『レ』いえ…(顔を紅潮させて、伏し目がちにエリアドを見上げるようにする)

『ア』苦しゅう無いぞ、二人とも。(どこか偉そうに>笑)

『エ』今さら恥ずかしがることでもあるまいよ。(優しげに)

『レ』で、でも…(ますます紅くなる)恥ずかしいんだもん…

『コ』(そっとレムリアに寄り添って)良いのですよ、レムリア。

『エ』ははは。(苦笑)…こちらまで恥ずかしくなってくるな。

『ア』果報者め。(エリアドを肘でこづく)

『エ』すっかり親父化していますね…陛下(多少皮肉っぽく)

『ア』何を言うか、ムーンシャドウ卿。(とたんに威厳を纏って<遅いぞ)我は、二人の幸せこそ想ってな…

『コ』…面白半分にちょっかいを出したのでしょう?(アーサーの言葉尻を取って)

『ア』な…!

『レ』そうなの? 兄さま。(口調が幼くなっている)

『エ』まぁ、“親”馬鹿ならぬ、“兄”馬鹿というやつでしょうかね。(笑)

『コ』エリアドの言う通りね、あなた。好い加減、取り繕った会話は止めましょう。

『ア』…判った。(がっくり肩を落としながら)

『エ』コーデリアさまも苦労が絶えませぬな。(苦笑)

『コ』うふふふ、そうね。でも、好きでこの人と一緒になったから──後悔はしてないわ。選択肢が無かったとも言うけれど。

『ア』コーデリア!(ショックを受けた表情で)

『コ』あら、事実じゃないかしら?

『レ』(そっとエリアドに寄り添う)

『エ』(さりげなくレムリアの背中に手を回す)

『ア』おぉ…なんたる運命、なんたる言葉。我は心に衝撃をうけているぞ。(芝居がかったように)

『レ』(真っ赤になりながらも、非常に嬉しそうに笑う)

『ア』こら、そこ。いちゃつくでない。

『コ』はぁ。兄莫迦ね、これは…(嘆息する)

『エ』(笑)

『ア』この娘(こ)はこんなにも可愛いのだ。自分の可愛い妹を大切に思って何が悪いか?

『コ』あなたはそれ以上でしょうが…(深く溜息を付く)自覚がないって言うのも困りものね。ねぇ、エリアド。

『レ』?

『エ』真性の“妹属性”持ちだったのですね。・・・陛下。

『ア』五感はしっかりと把握しておるわ!

『コ』そうなのよ。隠していたんだけどね。世間体、というものもあるでしょう?

『レ』??

『コ』あぁ、それから──陛下も女王陛下も止めてね。呼び捨てで良いのよ。あなたは、私たちにとって家族なのだから。(優しく微笑む)

『エ』…すみません。慣れないもので。ところで。1つ聞いてもよろしいですか? このような時でもないと、なかなか聞く機会もなさそうなおので。

『ア』…立てよ国民! 国民よ立て! 今こそ爾怨の頸城を断ち切るときだ!(何も聞いていない)

『レ』兄さま…(痛ましそうに)

『コ』いいわよ。

『エ』彼女(レムリア)の母君のことなのですが。

『コ』えぇ。

『エ』何かご存知ですか?

『コ』レムリアは何も?

『エ』私には、いろいろな状況から見て1つの推測があるのですが、残念ながらそれを確める術(すべ)がなく。

『コ』話してくれるかしら? その推測を。

『エ』もしこの推測が正しいなら、彼女にもう一人血の繋がった者を紹介する機会ができるのではないか。と。いや、二人…かな。

『コ』それはどなたかしら?(声が微妙に変わってくる)

『エ』 以前、真理査さまがふと、洩らした言葉なのですが。

『コ』(黙って聞いている)

『エ』レムリアの波動が、真理査さまの知っている方の波動によく似ている、と。

『ア』(何か演説しているアーサーを心配そうに見ているレムリア。二人はちょっと離れている)

『コ』エリアド。はっきりおっしゃいなさい。誰のことを、あなたは言っているの?

『エ』(続けようかどうしようか少し迷って、二人が離れているのを見て)真理査さまの姉で、恵理査さまという方がいらしたと聞いています。

『コ』えぇ…いらっしゃったわ。

『エ』“時”を越えた時に、離れ離れになった、と。

『コ』…それじゃあ…あなたは知っているのね、エリアド。

『エ』…正確には…周囲の状況からの、単なる推測です。

『コ』…(思慕し黙した後)エリアド。(真剣な表情で)

『エ』…はい。

『コ』どうしても、知りたい?

『エ』…知りたいというより、確認したいと思っています。

『コ』そう…(憂いを帯びた表情で)

『エ』もし彼女に、そのことを知らせてやれるなら、彼女は、たとえ私がいなくても、孤独ではなくなる。

『コ』…そうね。そして、レムリアが自分では知らない出生の秘密を、あなたは知ることになる。

『エ』どうやら、私が推測している以上に、何か複雑な事情がありそうですね。

『コ』その辺は察しなさい。(少し表情を和らげて)

『エ』そのようにおっしゃられても…(軽く肩をすくめて笑う)

『コ』あの娘(こ)はまだ完成されていない。幼い心と、大人の心が同居している──それは理解しているでしょう?

『エ』もちろん。

『コ』過度の負荷を掛けてしまうと、その二つの心が割れてしまうかもしれない。その負荷に、まだレムリアは耐えられないわ。

『エ』微妙なところですね。

『コ』そうね…。今、あの娘(こ)を“大人たらしめている”のは、誰かの一千年の想いなのかもしれないわ。

『エ』ふむ。彼女本人の想いではなく、誰かの想い。だと?

『コ』そう。あの娘(こ)の心の大きさだけが、二つの想いに橋を架けている…そう思ってもいいわ。

『エ』ふむ。

『コ』突き詰めると、レムリアはレムリアで無くなるかもしれない──そういうことよ。

『エ』多かれ少なかれ、人は変わるもの、ですよ。レムリアにも言ったことですが。

『コ』“人”は、ね…。

『エ』ふむ。そこに来ますか。(苦笑)

『コ』(哀しそうに笑う)

『エ』まぁ、彼女が人であろうと、人ではなかろうと、彼女自身でありさえすれば、私にとっては問題ないのですが。どうやら、そのあたりにまで関わってきそうですね…

『コ』そうね──でも、ありがとう。その想いが、あの娘(こ)を支えているのだから。(微笑む)

『エ』困りましたね。思っていた以上にややこしい話になりそうだ。(苦笑)まぁ、それが事実なら避けていても仕方ないのですが。

『コ』後悔はしてないんでしょう?

『エ』むろん。後悔などするはずもありません。

『コ』(頷いて)仕方がないのよ──それは、人の躰で大きすぎる力を持たされた“夢見”の宿命だから。独りだけ例外がいるけどね。

『エ』ふむ。…璃奈姫ですか。例外は。

『コ』そうよ。流石に判っているわね(笑)。

『エ』まぁ、それはともかく。(笑)恵理査さまのことをお聞かせいただいてもよろしいですか?

『コ』どうしても、知りたいの?

『エ』ここまで聞いておいて躊躇しても仕方ないでしょう。時間が足りなければ、次の機会でもかまいませんが。

『コ』では、そうしましょうか。向こうの二人も、あのままだときりがない様だから(笑)。

<CLOSED>
メンテ
天空に想いを馳せて ( No.2 )
日時: 2003/07/28 23:11
名前: レムリア/ダミアーノ
参照: “夢見る館”/居間

■登場人物と略称
『レ』マーガレット・レムリア・オフ・ヴェロンディ
『ダ』ダミアーノ・デルストレーゴ

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『レ』こんばんわ、ダミアーノさま。

『ダ』ひさしぶりですね、レムリアさん。

『レ』ようこそいらっしゃいました(微笑む)

『ダ』(ちぎれ掛けた袖を引っ張り上げながら)ようやく来れました。

『レ』お座りになって下さいませ。お茶でも、如何でしょうか?

『ダ』そうですね。では遠慮なくご馳走になると致しましょう(と言って席に就く)

『レ』どうぞ。(茶器を整え、手際よくお茶を注ぐ)その…どうかされましたか?(心配そうに)

『ダ』あ、これですか?(肩口を示すと)

『レ』え、はい。もしも、お尋ねして宜しいのでしたら。

『ダ』いや、大したことではないのですよ。『館に行くのは私だぁ!』と言ってきた連中とちょっとしたもみ合いになりましてね、ハハ(汗を拭う)

『レ』まぁ。(微笑む)わたくしなど、大したはなし相手にもならないでしょうに。それとも、何かお悩みなのかしら?(小首を傾げて)

『ダ』世の理(ことわり)を越えてでも逢いたい人、話したい人がいるのではないかと思いますが…

『レ』そう、ですわね。(ちょっと寂しげな笑み)ダミアーノさまは、その様に想われる方がいらっしゃいまして?

『ダ』(はっきりとした口調で)えぇ、いますよ。まさに今話したような人がね。

『レ』それは…アレゼルさま、ですね…

『ダ』はい。人の思いに順序をつけるのはナンセンスだとは思いますが、週間ランキングトップを取った回数はダントツです。

『レ』アレゼルさまのお話しを致しましょうか。(薄い笑み)

『ダ』えっ!? (少々取り乱したが、持ち直し)いえ。

『レ』“聖域の守護者”にして、至高の妖精の一族の方。いまでは──現世(うつせ)には存在しない一族に属される方。

『ダ』えぇ。

『レ』永い年月──たった一人でいらっしゃった方…

『ダ』そうですね…

『レ』でも…(けぶる様な、深い黒の双眸を向けると)今は、お幸せ…なのでしょう、ね。

『レ』逢えないけれども…

『レ』話せないけれども…

『レ』誰かが、自分の支えとなってくれるという想いは──とても、大事…

『ダ』振り回してばかりの頼りない支えですけどね(苦笑交じりに)

『レ』いいえ。(静かに)それが、どれだけ心の支えになるか…わたくしも、知っておりますわ。(微笑む)それに──貴方の“想い”は、きちんと届いていると思いますの。

『ダ』良くも悪くも変化を与えてはいますね。今までとは違って。

『レ』そうですわね。“想い”は、天にも届くのですから(瞳を細めて笑う)だから、“天”も、幸せなのでしょう?

『ダ』それは確かにそうですね。

『レ』お尋ねしても宜しいのでしたら──ダミアーノさまは、どの様にしてアレゼルさまとお知り合いになられたのでしょうか?

『ダ』(目を細めて中空を見上げるようにして)ほんの偶然だったんですよ…出会いそのものは…

『レ』はい…(静かに聞いている)

『ダ』ご存知の通り、一般的に我々旅人と言うのは必要以上に人との接点を取りません。故にいろいろな“縛り”というものに対して敏感です。

『レ』えぇ。

『ダ』だから、彼女が“縛られて”いる事に気づいた。いや気づいただけならば、その時同行していた仲間にもそのように感じた人はいたでしょう。でも『僕』が救いたいと思ったんです。(どうも一人称がその当時のものに戻っているらしい)

『レ』何に…“縛られて”いらしたのでしょう?

『ダ』目に見える形ではっきりと確認できたものでは“時”ですね。

『レ』“時”…(はっとする)

『ダ』その後の冒険の中で、全ての存在に対応する時計を見たことがあるのですが、彼女の時計は止まっていました。二十四時ではない時間でね。

『レ』“真零の刻”の事ですわね…

『ダ』(手を後頭部に当てて)恥ずかしいことですが、名前はよく知りません…僕がその時のことで覚えているのは彼女の時が止まっていたこと、いつか必ずその時計を動かしてみせると誓ったこと、の二点だけなので…

『レ』はい…。(優しく微笑む)でも…アレゼルさまの“刻”は、再び動き始めたのですね…

『ダ』えぇ。(ここで表情が複雑なものになり)でもそれは守護者としての役目が終焉に近づいていることをも意味します。

『レ』天空にも、新しい“風”が吹き始めた──そして、現世(うつせ)も時代が変わってゆく──少し寂しい気もしますが、その変化を受け止めることが出来れば、新しい明日も見えてくるでしょう。アレゼルさまにも、“動き始めた時”は新たな未来をもたらすと──思いますよ。(密やかな笑い)

『ダ』えぇ。“聖域の守護者”がいなくなったとしても、『なべてこの世は事もなし』と言えるような世の中に成っていければ良いと思っていますが、それはあくまでも私の個人的な望みを拡大解釈したものです。見方を変えれば私は重罪人ですから。ハハ。(3i Intermission ダミアーノ『夢』参照)

『レ』まぁ。ダミアーノさまは重罪人ですの(口元に手を当てて軽く笑う)それでも…たった一人、永い年月孤独であった人にとっては、それがどれほど大切か──天も、そのような過酷な運命にその方を委ねるとも思えません。

『ダ』当時はともかく、今は更に“確信犯”のオマケもついてきますけどね。

『レ』うふふ…。きっと…本当にアレゼルさまの事を想う方が現れるまで──“天の聖域の守護者”という任よりも、アレゼルさまにとって大切な事柄が出来るまで──待たれていたのではないかとも、思いますわ。

『ダ』まるで眠り姫のごとく、ですか?

『レ』はい。心が成長するまで…過去の辛い想いに耐えられるまで…。その様に、わたくしには思われますの。(微笑む)

『ダ』(表情がやわらかくなり)そう考えると少しは心が軽くなりますね。

『ダ』> (呟くように)“必然”か…。思えば彼女と私の“縁”は自らがそう育ててきたのだものな…。

『レ』えぇ。でも…その“必然”を呼び起こすのは、人の心の力ですわ。座していては、何事も起こりません。それが、例え“必然”となるべき事であっても──だから、デミアーノさまとアレゼルさまの間に起こった“必然”は、お二人が呼び起こしたものです。決して、“運命”などと、軽く言われるようなものではありません。(真剣な表情と力のこもった口調で)

『ダ』えぇ。“縁”をより深いものにしていくのはひとえに人の力だと私も信じています。だからこそ今も私はこの行為を止めずに続けている。

『レ』はい。

『ダ』しかし、貴方には隠し事が出来ませんね…不思議と話せてしまう。

『レ』そう思って頂けると、わたくしも嬉しいですわ。(微笑む)ここは“夢見る館”──“見果てぬ夢”が真(まこと)となるところ…。

『ダ』このことをアレゼルに話したらどんな顔をするんだろうか? やきもちでも焼いてくれるかなぁ…いや焦りは禁物だけれども…ゴニョゴニョ

『レ』< うふふ…。焼き餅を焼いて欲しいのですか?

『ダ』焼いて欲しいような、そうでないような…ヒラリーとの事があった時でも表面上は変わりなく見えたから見てみたくはあるんですけどね。

『レ』焦りは禁物ですわ。アレゼルさまの心は、少しずつ、その氷から溶けはじめているのですから…。

『ダ』そうですね。私の寿命が延びたのもそれを意味してるのでしょう。尤も口さがない方々からは“ローヴェンデール”の名を継いだからだと言われますがね、ハハ。

『レ』まぁ。

『ダ』ま、“ローヴェンデール”を目指している人には不遜に映るでしょうけれど、私は“ローヴェンデール”を目指していたのではなく、自分が信ずる道を進んだだけに過ぎません。ただその結果がこの“銘(な)”に繋がっただけだとね。だから、今後もきっと自分自身の道を行くでしょう。例え神を相手にすることになってもね。

『レ』夜も大分更けて来ましたね。このお話しは、また次回と致しませんか?

『ダ』あ、確かにこんな時間に(ドッと流れ出た汗を拭き始める)

『レ』また、ご遠慮されずに尋ねてきて下さいませ。それでは、お休みなさい。

『ダ』お休み、レムリアさん。

<CLOSED>
メンテ

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