記事No | : 3397 |
投稿日 | : 2009/01/02(Fri) 20:02 |
投稿者 | : 西瓜兵 |
IP | : flh1aef166.aic.mesh.ad.jp |
両者は、地上戦へ移行するため、手近な島へ向かった。そこが未だに魔王たちのいるだということなどは、端から気にしていなかった。
そして、両者はほぼ同時に着地した。
―――かに見えた。
着地の瞬間、すいか様の体が不自然に傾いた。
すいか様は両足を同時に付けず、左足で着地しようとしていた。
しかし、その着地地点に、小石が落ちていたのだ。すいか様は、影魔王に気を配りすぎていて、足下の小石に気がつかなかった。
(しまっ……!)
そんなことで大きなスキを作るすいか様では無い。
しかし、小さなスキだからといって見逃すような影魔王でも無い。
影魔王は、ずっと温存しておいた攻撃回復技を、この瞬間に使用した。
「『大吸血』!!」
影魔王は大きく息を吸い込み、フッっと、強く息を吹き出すような仕草をした。
同時に、影魔王の口から、魔力で生成された無数の透明な牙が飛び出した。
この牙を受けたら、その傷口から血液を吸い出される。吸い出された血液は、自然と術者の口の中へ運ばれるのだ。
すいか様は影魔王の取った行動を見、理解し、今まで忘れていたその可能性に気づき、戦慄した。
しかし、もうどうすることも出来ない。この疲労した体で、これだけのスキを作っておいて、これを避けろと言うのは無理な話だ。
だが、
すいか様の前に、何者かが立ちはだかった。
ドガガガガガガガガガガ!!
すいか様の耳に、その何者かの巨体に、魔力の牙が次々と突き刺さる音が聞こえた。
「何!?」
影魔王は驚愕を示し、すいか様は、
「君……さる魔王……」
その正体を看破し、どうして……と、呟いた。
すいか様ならともかく、その他のこの世界の生物があれをくらったらただじゃあ済まないだろう。
彼も魔王だ。それくらいのことはわかるはずだ。
なのに……どうして……
「いやぁ、あいつには俺たちの同士を何人か殺されたからな。だが、今までは、あいつが強すぎて手が出せなかった。」
すいか様のつぶやきを聞き取ったさる魔王が、説明らしきものを始めた。
しかし、すいか様は、そのさる魔王の全然平気そうな口調に戸惑うばかりである。
「しかし、これ程までに疲れていて、しかも地上に降りてくれたというのなら話は別だ! 加勢するぜ!!」
そして、戸惑いを通り越して驚愕している者も、一人。
「お、お前……俺の大吸血を喰らって、何でそんなに無傷なんだ!?」
影魔王の方へ向かっている血液は、たったの一滴だった。
何て微々たる更新\(^0^)/(爆
しかももう載せたことのある場面であるからやり切れない;;
今後の展開は……もう全く変更点無いです。。
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