決着と出発

1999/3/29・学生最後の日記です

 3/30、明日、ボクは大阪に向けて旅立ちます。社会人への第一歩です。このHPが仮開設してから二年と三ヶ月、正式にOPしてから約二年。いよいよ、ボクも名目上は、立派な社会の一単位となるわけです。

I'm a songwriter ただ訳もなく
過ぎ去りし日々を静かに掘り返すのです
愛した人を 必死だった恋を
自信に満ちた青き時代を

 3/29をもって、PSTHを完全クリアしました。はっきり言って、この短時間で完全クリアできると思っていなかったので、非常に…ほっとしました。やっている途中の経過については、インプレッションPSTHやBBSに書いたとおりです。

 うちのHPは、実際のところ、THの攻略を載せた事から始まったといっても過言ではありません。別に、攻略をのせたことに、今にいたる深い意味があるワケではなく、重要なことは、そのTHにボク自身がかかわった事により、それを触媒にして多くの人と知り合い出会ったという事こそに意味があるということでありましょう。

 PSTHをやっていると、ゲームに関する想い以上に、当時からのことが偲ばれます。二年前、THが出たころ、ボクはLeafにひたすら盲目で、THやマルチへの想いは例え難いほど強きものでした。今振りかえってみても、当時の自分や出来事は、思わず目を細めてしまうかと思うほど楽しさに満ちていました。そしてその中、どういう経路か騒がれたPS化の噂は、自分を激しく困惑させるに十分なものでした。

恋すれど恋 月わかれ 涙凍る
美しい想いを できるだけ傷つけぬように

 そして、最終的に、PS化に対する一連の動きや想いなどが交錯する中、手に取ったPSTHをすることは、自分のTHへの想いに完結の二文字を刻み付けるために、必要な事なのだったと強く感じています。

 正直迷っていました。3/25という微妙な発売タイミングで、しかも卒業式が同日。準備なども考慮すると、やる時間はほとんど無いといったところ。それでもやるかやらないか。いっそのこと、購入を差し控えるか。それとも、別物だと踏ん切りをつけ購入しないようにするか。発売日が決定してからというもの、毎日のように悩んでいました。時間が無いならやらなければいい、というほど簡単な問題ではないのは、分かっていただけるかと思います。PSTHに対する発言権をもつためはもちろんの事、学生生活を彩ったこの作品に対してどう決着をつけるかや、うやむやなまま学生という身分を終え、葛藤のなか社会人第一歩を踏み出し、それを新生活の中まで引きずり込む事への嫌悪感と恐怖などが渦巻き、悩みは悩みを呼ぶ事となりました。しかし…いちいちそんなTHごときで悩んでしまうとは、自分がかわいくてしょうがありません。それほどに、一作品にたいして愛情を注ぎ込める自分と、そんな対象になる作品に乾杯と言ったところでしょうか。

 結局のところ、やらずして悔やむのは、最大の悔いになるという結論にいたり、精一杯の事はしようということになりました。その決心からの行動は、すべて3/25PSTH開始、を想定したものでした。実をいうと、3/24にリカをフライングで購入したのも、3/25にPSTHを始めるにあたり、障害以外の何物でもない事を自分自身わかっていたからで、これは一例に過ぎませんが、実際の生活もそんな感じの思考のもと動いていたのでした。
 思えば思うほど、二年前から引きずっているさまざまな想いに決着をつける必要性を感じていたのかもしれません。感情的な言葉、理論的な言葉で自分を説得したところで、実際身を持って知らなくては、なんにもならない事は自分が自分で良く理解していたからでしょう。

遠い あの空の向こうに
そう 置き忘れてきた純情は数知れず


 そして、完全クリアです。まず出てきた言葉は、
「…ふう、踏ん切りついたわ…」
 でした。作品にたいする印象とは別のところにある自分と作品をつなぎとめる何かを、整理できた、という気持ちが胸をつつみ、非常にすがすがしい気分になったのです。
 どういう整理がついたかは察しいただきたいかと思います。重要な事はきわめて大きな制約の中、2年間に及ぶ想いに決着がついた精神状態は、なんとも言いがたいものがあるということ。しかも、人生において微妙なタイミングにおいて、です。
 PCTHからPSTHに至る流れは、ボクの生活の中に組みこまれた重要なキーワードだったのかもしれません。
 PSTHをクリアするということは、そのゲームをクリアするという意味以上に、THという世界を自分の中でクリアにするという意味を持っていたということでありまして、二年間に決着をつけたことは、Silent Sirenやそれを取り巻く人たちにも大きな意味を持っていたことと思います。

 THは、本当に良い作品です。THを縁にして出会った方々や、それ以外にも、いろいろなものをボクにもたらしてくれました。それをひっくるめて、ありがとう、という言葉を素直に送りたいと思います。

 ありがとうございました。

I'm a songwriter 何の当てもなく
迎えるべき運命に言葉送りたいのです
愛すべき人に まだ見ぬ君に
自信も声も枯れた自分に


 そして、社会人一年生が迫ってきています。明日、朝8時に家をでます。独り暮しは高校時代3年間していたので違和感はありませんが、独り立ちするということは結構目の前に立ってみると怖いものです。いまさらながら、怖いもなにもないですが、まだまだガキな自分がやっていけるのかという不安を払拭できないでいるのは、恥ずかしながら事実です。

問いかけよ問い 路わかれ されど問う
転んでも叫んでも 答えなどどこにもないのに


 希望に満ち溢れるという表現も使えないほど、今こうしてHPにアップする日記を書いている事が当たり前な日常過ぎて、迎えるべき明日が見えてきません。良いことなのか悪い事なのかもさっぱりわかりません。迷いというのを形にするとこんな形なのかなと考えたりします。答えが見えないというのはこう言う事をいうのかもしれませんね。

遠い あの雲のむこうに
そう 広がるべき未来の景色未だ見えず


 明日から、自分自身の環境でネットには入れなくなります。ここを無くす気は毛頭有りませんので、それなりの事をしながらでも続けていくつもりです。だけど、配属地も決まっていない今現在では、未来像が見えず、続ける、としか言えないのがちょっと自分にとっても困ったなぁって感じです。
 ネットにつなげる環境はありますので、ボク自身はあまり変わるつもりもないのですがね。

 とにかく、がんばりたいと思います。ガキなボクですが、一刻も速く、社会の一単位として機能できるよう、誇りと自覚をもって行動していきたいと思っています。そして、配属地が決まって、帰るべき家が決まったら、本格復帰し、今まで以上に暴れてやりたいと思っております。

 それでは、気合いを入れて行ってまいります。では!


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