■初めに  DOさんがチケットを手配してくださり、先ずは千秋楽の観劇が決定。  最初は、1回だけの観劇を予定していたのですが…らじましょのチケット争奪戦参加で、  土曜日の登校が不可能となったため、そういう事だったらと土曜マチも観劇することに。  さらに、金曜日は本当に気まぐれで、定時に仕事を上がれたことをこれ幸いと、  当日券があったら見てみますか…と劇場を訪問し、結果、観劇となりました。  なお、初日は劇場内でテリス殿と遭遇。  ■あらすじ  「6月のとある日、外は大雨。明日閉店となる古本屋「こまち堂」では、   店主の白岩ふさがその準備に追われていた。そんな中、次々集まる顔、顔。   しかし、一組の珍客が一同を思わぬ冒険の旅へといざなう・・」  −劇団大富豪・あらすじより−  ということで、3系統の登場人物達のベクトルが1点に収縮させながら、  その登場人物の心境を露にしつつ、劇中劇的な要素を織り交ぜ展開する物語です。  最初、詳細なレポを書こうかと思っていたのですが、途中まで書いて… 「こ、このレポを書くのは無理だ!」  と悟りました。何しろ、上に書いたように3系統の登場人物がおり、  それぞれについて、表層的な表情と深層心理の表現がいったり来たり、  さらには劇中劇まで展開されるのですから、文字であの風景を表現するのは…  −しかもそれを3日分−ほとんど不可能だと悟りました。  見ているとすんなり入ってくるのですが、  これは、如何に舞台が優れているかの証明となりましょう。  よって、今回のレポは登場人物ごとに分けることにしました。  では、以下の通りです…どーぞー。 ■伝説の語り部!? −白岩 ふさ(石井ゆかり)−  舞台となる「こまち堂」の女店主、白石ふさ役は石井ゆかりさん。  役柄との年齢差は実に3倍以上とのことでしたが、あまりの安定感に、  正直ここでコメントできるようなことがありません…。  様々な登場人物に囲まれ、また、世界観が左右する中で、  彼女がどれだけ「軸」として重要な役割をもっているかは、  想像に難しくないですが、石井さんはその大役を見事に努められました。  でも、上手い役者さんのいい演技には、惚れ惚れしますよね。 ■脳内がラッキーファンタジーよね、思春期って −黒川 学(今井麻夏)−  今回、自分の一番の注目は、この男子中学生・黒川学。そして演じる今井さん。  なんといっても、この少年は精神的に自己防衛に走っている状態で、  表層的な行動と、深層の心理状態が全然一致していない、二面性のある人物。  これを演じるのは大変だ…と、思いましたし、実際、初日は戸惑いが見られました。  声も最初は若干上ずりぎみでしたし、脳内がファンタジーな思春期男子の、  微笑ましいまでの愚行にも、ちょっと照れが見られたのは確かです。  しかし。しかしです!  彼女はここからが凄かった!土曜マチをみて、驚きました。  声が!声が!もう、そこにいるのは紛れも無く男子中学生でした…。  それだけじゃありません、演技面でも自分の世界を作られているじゃないですか。  これには驚いた…すごい!たった1日、されど1日、そこで見せた彼女の成長…!  人が成長する姿って、ここまで美しいものなんだ…と感嘆した次第。  千秋楽の演技は、もちろんそれを超えた演技を見せていただきました。  なんと言っても、今も彼(彼女)の声が脳内を響き渡っている程です。  あさぽんが、自身のBlogで「いつか競演したい」と述べておりましたが、  いつかそんな日が来るといいナァ…と思わずには居られません。  彼女は、ちょっと今後、注目していきたいですねー。  <注目点等>  千秋楽だけ、エロ本持ち帰りに成功しました彼が、これを披露する様といったら…!  あまりに嬉しそうな表情に、そして、ネタとは言え5回目でやっと成功したことに、  もう笑いが止まりませんでした…っ! ■小説家志望、ドリームチェイサー −青木 俊男(桐野康)−  こまち堂の二階で小説を書いている八百屋の息子、青木 俊男。  自閉症気味(?)という設定故、表情だけで感情を表現してゆかねばならない、  そんな難役ではありましたが、桐野さんが良い表情で演じられてました。  土曜マチで自分は、主に彼の表情に注目して観劇をしていましたが、  言葉は無くとも感情の豊かさを感じさせる、良い演技をされていたと思います。  どんなシーンでも、全く気を抜かず表情を作っていましたね。  似た境遇の中学生との邂逅が、彼の心を少しずつ開いていく様は、  心の通い合いの大切さを感じさせてくれました。…が、自分はそれ以上に、  夢を追うことの意味・意義みたいなのを、深く考えさせられた気もします。  直前に、司法浪人10年以上、とかいうニュースを見たからかなぁ…。  基本的に、自分は後述の会社員・猛と似たような考えの持ち主な上、  思い出すのも恥ずかしいですが、かつては何か色々書いていた経歴もあるので、  舞台見てると、今の自分が、かつての自分を叱咤しているような気持ちになりまして、  それはちょっと秘密にしておきたいような、不思議な感覚でした…。  <注目点等>  千秋楽のおまけ・お遊びには、思いっきり意表を突かれただけあり、  しばらく大爆笑が収まりませんでした。うーん…やっぱり、あれか、  台詞が少ないだけにアドリブが利かなかったから、何かしたかったのかしらん?(w ■リーマンってカッコいいと思うんだけど、どうよ? −赤松 猛(吉本泰洋)−  吉本君演じる会社員、赤松猛…男の自分から見てもカッコいいですな、彼(達)は。  会社員の感じも、キチンと出ています…これは、会社員の自分が言うのだから間違いない!  会社からのイヤーな報告電話を受けている様とか、それに対応する様とかは実にリアル。  悔し涙を流す様も、良い男泣きっぷりで、彼の悔しさが十分に伝わってきました。  悔しさ、というか、憤りでしょうかね。猛の憤りには共感できる要素が多いのか、  土曜、日曜共に、終演後、近くの人が「あの気持ちは凄く良く分かる」と話していたのが、  妙に印象に残っています…。彼は、客席側の代弁者なのかもしれませんねぇ。  常識人の枠内で、物語と対峙していた姿は、結構印象的だったのです。  <注目点等>  彼の、会社との電話はラーメンの納品に関する会話なのですが、商品名が毎日微妙に変化。  いい感じに、ウケ狙いのアドリブを盛り込んでくれてました。で、その商品名は…  金曜ソワ:「宮原弘和印背が高くなるラーメン」  土曜マチ:「?(忘れてしまったっ!)」  日曜ソワ:「劇団大富豪特製ラーメン」  これは、初日が一番ウケていましたね。…って、あんまり笑っちゃいけないのかも(汗  でも、それぞれ、どんな味なんでしょね?最後のは、是非商品化して欲しいナァ(w  あと、彼が先導して洞窟に逃げ込むシーンでは、  金曜ソワ:ただ走るだけ  土曜マチ:原住民が襲ってきたぞー!とか、色々、冒険っぽい事を叫んだり〜  日曜ソワ:意味不明な叫び(ォ キリンだーっ!…ってキリンはないでしょ(爆笑  と、日替わりのお楽しみ。このアドリブはシーンに直結するアドリブなので、  印象に強く残りました。最終日のアドリブは、さすがにステージ上でツッコミが入ってましたね(w  いや、そりゃねー…もう、こっちもツッコミたかったぐらいですから…「なんだキリンって」!?  その他としては、嫉妬心を剥き出しにして電気屋の息子・卓を問い詰めるシーンで、  通常は問い詰めるだけなのに千秋楽ではマヂ蹴りしたり、惚れている花屋の娘・鈴を  回想するシーンでは、妙でわっかりにくいモノマネなんかも織り交ぜたりと多彩。  嫉妬で暴れているシーン…千秋楽は、よりコメディライクになってましたな(w