ここから先は:「かきく」さんの物語です

宇宙人「処刑は明日です」

「それって「うそぴょん」ってやつですか?」
僕は、この宇宙人がシャレを日常茶飯事扱い、軽いジョークを優しく受け止める楽しい人種であることを願って顔をひきつらせつつも聞いてみた。

「そうそう うーそぴょん!!」

「え!?ほんとに!?マジで?」

「なんと 処刑は今日なのです。今なのです。即行なのですー。あなた死ぬ前なのになかなか生きがいいですねー喜ばしいことですー。」

僕は、ちっとも嬉しくなかった。
やっぱ宇宙人にはシャレは通じても人類愛や人情など一欠けらも無いのだ。

「それにしても、今時「うそぴょん」って、かなり古いですね。死語というやつでしょ?見かけによらずかなりのお年寄りなんですねー。」

即行処刑というショッキングな返答をした上、僕がとっさに使った言葉で年齢をまで適当に推測しながら宇宙人は処刑用とマーカーで大きく書かれたトランクをどこからともなく体から取り出し、何やら鉄パイプのような物をもの凄い速さで組み上げていく。

逃げなくては!!
しかし、そう思った矢先に処刑の見物人がわやわやと集まってきているではないか!!

そして、気が付けば僕は無意識の内に黒い着ぐるみのようなスーツに足を通しているではないか!!!くっ 手が勝手に!しかし、体が勝手に動いても、僕の心はまだ生きるという気持ちの方が勝っていた。

確かにこのまま処刑されて死んでしまったほうが、めんどうな世の中から離脱できる、だけどこんな人間を物みたいに「はい 処刑」って処理するようなやつらに手にかけられて死んでいくべきなのか?処刑されなくたって僕らは皆望もうが、望まなかろうが、いずれ時がたてばどんなやつでも死んでいく。
だから、まだ生きてる間はわざわざ死にひれ伏したりするべきじゃないんだ。

「あばよっ!」僕は僕の処刑見物人の期待をまんまと裏切り、その場からそそくさと立ち去ることにした。

「あ!また 死語。」

背後からそんな言葉が聞こえてきたが振り向かずに見物人をかき分け僕は逃げ出した。

「追いかけろー」

手足を奇妙にくねらせた意外にのろい宇宙人を背に僕は前方に見える信号機を目印に全速力で走った。


まだここまでです。誰か続きを書いて下さい

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