ホームページの合格体験記にある,今年電験2種に合格された 大前様が,中国に出張されています. 大前様から,中国電力事情レポートを頂けることになりました. まずは,第1回です. (励ましのメールを入れてあげて下さい.) それから,写真や図形などは,「電気と資格の広場」または,「電気の教室」で 掲載しております. 中国製メガー イスラエル製バッテリ メガー回路図1 メガー回路図1 柱上変圧器 架空送電線 原子力発電所1 原子力発電所2 保安規定 信号機 変圧器の保護原理図 レポートの筆者 レポート ★99.04.04 中国からの体験記(1) 第2種電気主任技術者:電気エネルギー管理士:複合技能士 name / 大前秀樹 e-mail / omae1996@geocities.co.jp HomePage 現在私は中国の天津市へ、会社の仕事で出張しております.ホームページにも掲載し てありますのですでにご存知かと思います.当初インターネットへの接続が困難で あると予想していたため、メールのやり取りもできないと思っていましたが、短時間 ではありますが、接続できるようになりましたので、投稿記事掲載のお礼を申し上げ ます. 中国では、文化の違いもさる事ながら、電力事情の違いにも驚かされております. たとえば、日中と夜間との電圧変動が70v近くあるために、日中は点灯しない照明 が、夕方になってくると点灯する(初めは自動点滅器かと思っていた)このほかにも 安全水準や基準の違いなど.このあたりは、帰国後ホームページに掲載したいと思い ますので、ぜひ見にきてください.帰国は4月30日の予定です. ★99.04.04 中国からの体験記(2) 現在私は、電気関係の保全指導という形で出張しておりますので、中国の電力事情 そのものについては、あまり探求できないかもしれませんが、がんばってレポート したいと思います.よろしくお願いします.このような、海外からのレポートこそ、 インターネットの利と思います.私以外にも、海外で活躍されている方見えましたら、 ホームページ等で呼びかけて、情報公開されることを望みます.視野が大きく広がり ます.以前(電験合格前)の私でしたら、街を歩くにしても漠然と町並みを眺めるに 過ぎなかったと思いますが、現在はつい電柱や変台に目が行ってしまいます. このように、電気という切り口で、中国を体験するのも悪くないと思います. もう一つレポートですが、こちらでの会社は、1万v受電です(3万5千vに訂正) 設備容量は詳細に把握できていません.(他の会社も同じ?)このあたり電圧変動の 要因と思います. そのため、電圧だけでなく周波数も大きく変動していると思われます.(オシロ スコープ等がないので確認できませんが)蛍光燈なども日本では、ラピッドスタート 式が多くなってきていますが、中国では、もっぱらグロースタート方式で、時間帯に よって本体から”ブーン”という大きなうなり音がするときがあります.このような 音を聞くたびあらためて「蛍光燈はアーク放電なんだな」と納得したりします. ただ、中国の市場経済は始まったばかりで、共産時代の制約があちこちに残って おり、あまり突っ込んだことを聞けないのが残念です. 長いメールとなりました.乱文お許しくださいませ.またレポートしたいと 思います.では・・・ ★99.04.05 中国からの体験記(3) 先回のメールで受電電圧1万vとご連絡いたしましたが、3万5千vの間違いで した.訂正をお願いします.先日より、会社の原動力関係をぜひ見学させて欲しいと お願いしていましたが、本日管理者の方に話を伺うことができましたので、その中で 分かりました.こちらの電力会社は、すべて国営ですので、原動力関係も会社の敷地 内とは言え、なかなか立ち入りにくいものがあります.今度変電所およびボイラ、 コンプレッサ等の設備を見学できそうですので、色々聞いておきたいと思います. それと、こちらで使用しているメガー(絶縁抵抗計)には、ハンドルがついていま す.私初めて見る形で使い方が良く分かりませんでした.このようなメガーは、日本 にもあるのでしょうか?画像を添付しておきますので、一度ご確認くださいませ. さて、ここでひとつクイズを出したいと思います.日本の漢字はもともと中国から 伝わったものなので、日本で使われている固有名詞など漢字表記のものは、日本人 にも中国人にも理解できるのですが、カタカナで書かれている言葉、特に固有名詞は 中国語表記になると読めないものが数多くあります.その中でも特に有名で、町中 でも見掛けるような名詞を選んでみました.何と読むかチャレンジしてみて ください. 1.夏普 2.欧母龍 3.西門子 4.麦当労 5.肯徳基 6.三宝楽 7.雪碧 8.力保美達 1〜3は電気メーカ、4〜8はお店の名前や、飲み物の名前です.これ全部分 かったらかなりの中国通です.答えは次回レポートでお知らせします. ではまた ★99.04.07 中国からの体験記(4) 坂林さんへ メールが日課になってきた大前です. 中国製のメガーですが、使用説明書を日本語に翻訳してもらいましたので、掲載 します. 使用説明 1,メガーを水平に置き、L,E端子に測定するものをつないで、1分間に 120回転させると、目盛りから絶縁抵抗値が分かる. 2,回路の絶縁を測定する場合は、L端子を回路側と接続し、Z端子を アースと接続する. 3,線間の絶縁を測定する場合は、L,E端子に線を接続する. 4,ケーブルの絶縁測定する場合は、L端子と芯線、Z端子と外層、G端子と 内層と連結すると、表面の漏れ電流による、誤差がなくなる. どうでしょうか.1分間に120回転させるところなど、中国4000年の歴史を 感じてしまいます.(現地の方に伺ったところ、正確に回せられるそうです?) 正確に回転させると500vの電圧が現れます.テスタを接続して何回か練習 しましたが、結構難しいです.回路構成が掲載されていました.スキャナーが ありませんので掲載できませんが、自転車に使われている発電機のようなものを 手で回して、単巻き変圧器で昇圧し、整流した後コンデンサで平滑するといった 単純なものです.このほかにも私の入社当時、使われていた、ドライブイット (鋲打ち銃:もちろん火薬式)なども現役で活躍しています. 中国語表記の回答ですが、 1.夏普→シャープ 2.欧姆龍→オムロン(ムの漢字が間違っていました・・・) 3.西門子→シーメンス 4.麦当労→マクドナルド 5.肯徳基→ケンタッキー 6.三宝楽→サッポロ 7.雪碧→スプライト 8.力保美達→リポビタン いかがでしたか?また、おもしろい漢字を見かけたら、ご連絡いたします. 電気と資格の広場3種担当の青木さんからメールいただきました. かさねてお礼申し上げます. では.... ★99.04.08 中国からの体験記(5) 追伸ですが、中国は共産圏ということもあって、物資が豊富とは言えません. 設備部品などなるべく安いところを採用しているようです.そのため、設備メーカー も色々な国籍が入り交じっています.昨日シーケンサのバッテリ点検をしていました が、そのなかでイタリヤ製の重鋳機でシーケンサはアメリカ製そしてバッテリは イスラエル製という、まさに多国籍軍もびっくりの設備を見つけました.私今まで 色々な国籍を見てきましたが、イスラエル製は初めてです.画像添付しておきます. このほかにもドイツ、旧ソ連さらにモンゴルなどなど・・・. それでは、さらに研究したいと思います. ★99.04.08 中国からの体験記(6) 坂林さんこんにちは 質問がくるとは思っていませんでしたので、とてもうれしいです.現在中国へは、日 本人スタッフとして、私を含め4人来ていますが、保全関係では私一人で、相談する 人もいなくて心細く思っていました.そんな中で、メールによるやり取りは、仲間が できた気がして心強いです. サトーさんからのご質問ですが、 >「メガ」ですが。わたしも大昔お世話になったのでとてもなつかしかったです。 そうですか、やはり日本でも以前は使われていましたか. > 「真ん中の白いつまみ」はG・Fじゃなかった、G端子じゃないですか? >G端子の意味は、電気工事士や電験のお勉強をするようになってから >最近になってやっとわかりました。 電気原理図を添付しますので、ご覧ください.私いまいち原理が良くつかめません. どなたか解説をお願いします.尚、原理図中のコンデンサは取説には、倍圧コンデン サと書かれています. >ところで、メガは中国語では何と言うんでしょうか? このメガーの形式は「ZC−7型 絶縁電阻表」といいます.電阻というのは電気を 阻止するという意味で、抵抗のことです.また中国語ではメーターのことを表といい ます.実際の漢字は簡化といって省略された漢字が使われているため、日本にはない 漢字で書かれています.ちなみに他にも中国語を紹介しますと、 テスタ→万用表 ニュートン→牛頓 ジュール→焦耳 ワット→瓦特 ボル ト→伏特 アンペア→安培 オーム→欧姆 さて、今日(4/8)当工場の変電所を見学することができました.電力管理や電気 料金体系など聞けば聞くほど、驚くことばかりです.次回レポートで、お知らせした いと思います. ★99.04.09 中国からの体験記(7) 坂林さんこんにちは 原動力施設を見学してまいりましたので、レポートいたします. 変電所ですが、35000[V]1回線受電です.変圧器は6300[kVA]×2基、常時開路低圧 バンキング方式です.変圧比は35000/10000[V]で、各工場建て屋の変台で最終的な 使用電圧の380[V]、220[V]にそれぞれ変圧されます.日本ではお馴染みのキュービ クル式変電設備は有りません.一時側引込線は地中ケーブルを採用しています. これは安全のためと停電中に盗まれない(?)ためです.計器類は電流計、電圧計、 電力計、無効電力計、電力量計および無効電力量計です.力率は法律で80%以上95% 以下にするよう決められていて、範囲から外れると、罰金を支払います.変圧器は 油入自冷式で更油などメンテナンスは、すべて電力局(国営の電力会社)が実施する ため、変電所の人たちは変圧器に対する知識はあまり持っていませんでした.そこで 電力局に電話で油の成分を伺いましたら、どうもPCBを含んでいるようです. 町中でも柱上に変圧器を見掛けますが、コンサベータが付いていますので、油入 変圧器と思われます.(PCB入りの・・・)柱上変圧器の画像を添付して おきます. 電気料金および資格など追々レポートしたいと思います.ではまた ★99.04.12 中国からの体験記(8)市街地の電気設備 架空送電線 坂林さんこんにちは まず、柱上変圧器ですが、ご指摘の通り取り付け位置はとても低くて、写真の例は まだ高いほうです.街中を歩いていると、頭をぶつけそうな位置に施設されている のがほとんどで、その他に架空送電線の高さもずいぶん低いのが気になります.画像 添付しておきます. 架空送電線で日本と違うなと思うことは、1.架空地線の遮へい角が大きい、または 架空地線が無い.2.電柱(コンクリート柱?)で支持されているケースが多い. 3.径間が1〜2kmと広い.4.3に関連して弛度が大きい.5.懸垂型の鉄塔が多い. 6.ダンパが無い.7.ほとんどが1回線送電線.などなど・・・ 上記理由として、襲雷頻度が低い、物資が不足?、地震が少ない、平坦な土地が どこまでも続いている、台風の心配が無い、雪がほとんど降らない、などです. 上記1〜7天津市だけに言えることかもしれません、とにかく中国は広いので. それと、天津市といっても日本の県ぐらいの広さが有ります. さらにカウンターポイズは?複合電線の導入は?探究心はやみませんが、調べられ そうに有りません.残念. 次回変電所その2お届けいたします.ではまた. ★99.04.12 中国からの体験記(9)原動力設備見学2 坂林さんこんにちは 電気料金についてレポートします. まず、契約電力ですが、ありません.変圧器の容量いっぱいまで使って良さそう です.変圧器ですが、所有が極めて不明確です.中国が市場経済に移行しだした のは、今から17年ほど前と伺いましたが、基本は共産主義ですので、外国資本は 国営企業との合弁という形で、中国進出を遂げました.そのため、敷地内とは言え 建物や、設備の所有権が国なのか、私有なのか分かりません.ですから、電力系統 において責任分解点は存在しません.また、会社の管理職はすべて共産党員という ことになっています. 前置きが長くなりました.料金の細目は、 1.基本料金=変圧器容量[kVA]×12元 2.動力料金=時間帯ごとの総電力量[kwh]×時間帯ごとの料金 3.付加費=総電力量[kwh]×0.009元 4.賞罰金:賞金=力率を90%以上に保った場合動力料金×0.075%、 罰金=力率が80%〜95%の範囲から外れた場合支払う.金額は不明. 5.道路照明費(工場の周りや付近の街路灯)=(基本料金+動力料金+賞罰金 +基本料金+付加費)×2% 6.三峡ダム基金=総電力量[kwh]×0.007元 7.電力施設建設資金=(有効電力量+変損)[kwh]×0.02元 8.献金=一定額(電力局と交渉して決める) 上記2、時間帯ごとの料金は、 7:00〜11:00と19:00〜23:00まで0.455元/kwh 11:00〜19:00まで0.311元/kwh 23:00〜7:00まで0.18元/kwh となっています.尚1元=約15円で計算してください. 続き次回送信します.では ★99.04.13 中国からの体験記(10)原動力設備見学3 坂林さんこんにちは このメールは、会社で昼の休憩時間などを利用して作成しています.いつ応援メール が届くか首を長くして待っているのですが、現在のところ、青木さんからの1通に とどまっており、レポートの内容がおもしろくないのでは?反省するとともに、さらに 探究しなければ・・・と、憂慮しています.めげずにがんばります. 電気料金の中で、一つ抜けていたのですが、資源差額というものがあります.これは 月毎に石炭や重油の使用量が違ってくるため、発生した差額を支払うそうです. では、電気関係の資格についてレポートします. 変電所に勤務する場合、関係者全員が該当する電圧を扱える資格を取得している必要 があります.日本語に直訳すると「高圧作業免許」というそうです.扱える電圧に よってランク分けされているみたいです.当工場の変電所担当者は、全員が35000V まで扱える免許を持っていました.他に10000Vまでの免許もあります.生産現場で、 保全作業に従事する人たちは「電気安全操作証」という免許が必要になります.この 試験は筆記と実技および面接によって行われます.また、2年毎に講習を受けなけれ ばなりません.500Vまで扱うことができます.その他、日本の技能検定にあたる 「電気技術ランク初級・中級・高級」というものがあり、筆記と実技によって試験 されます.実技試験は実際の設備でトラブルシューティングを行ったり、シーケンサ でプログラムを作成したりして判定します.これらは全て国家資格です.ところで、 話の中で「大前さんはどんな資格を持っているんだ?」と聞かれたため、「174000V まで扱える資格を持っている」といったら、「そんな冗談でしょう」と軽く笑われ ました.中国ではあまり高電圧は扱われていないのでしょうか.現状では技術的に 難しい面もあるように思います. 余談ですが、先日中国の朱首相が会見の中で、「3月度のGDP伸び率は3%台に 達するだろう」と強気の発言をしたそうですが、私の個人的な観測では、現実と かけ離れているようにおもえます.仮にそのような数値が報告されても、現状を知る 限り、信頼性が低いと思います. もう一つ余談で、これまでのレポートは通訳を介しての会話ですので、こちらの本意 や相手の言葉があまり正確に伝わっていないと思います.そのあたり充分考慮して いただけますようよろしくお願いします. 引き続き変電所関係のレポートお届けします.それでは. ★99.04.15 中国からの体験記(11)原動力設備見学4 原子力発電所1 原子力発電所2 坂林さんこんにちは 今週に入り急に暖かくなって、木々がいっせいに芽吹き緑も目立つようになってきました. さて、以前日中と夜間との電圧変動についてレポートしましたが、具体的には220V ラインで、180V〜250V位変動します.変電所内で受電電圧をしばらく観察していま したが、私が見ている間だけでも33000V〜36000V位変動しました.電源がこのように 不安定ですので、工場内では機器保護のため、電源にスライダックを入れて、モータ で自動的に電圧を調整する装置が取り付けられています.AVRと呼ぶのでしょう か?ですが、精度は低いのでモータや盤内の小型変圧器の焼損トラブルが後を絶ち ません. 電源が不安定なのは、エアコンが急激に普及したため、夏場になってくると顕著に なるそうで、電源容量が不足してくると、電力局から使用量を半分にしてください といった内容の電話が、10分前くらいに連絡されます.変電所員は慌てて溶解炉まで 走っていき、順番にスイッチを切っていくそうです.もし、使用量を減らせなかった 場合は、電源供給をストップさせられてしまいます.このほかにも、1ヶ月に1〜2回 計画停電が発生します.こちらも、前日のお昼ごろに連絡が入るため、急遽明日は 工場はお休みですといったことも、珍しくありません. 工場の隣に発電所があります.画像添付しておきます. ではまた. ★99.04.18 中国からの体験記(12)原動力設備見学5 ボイラ1 ボイラ2 中国製コンプレッサ(レシプロ) 変電所主コントロールパネル 変圧器 坂林さんこんにちは 今回は画像中心に送信いたします.若干重くなるかもしれませんが、 お許しくださいませ. では、順番に 中国製コンプレッサ(レシプロ)・・・60[Nm3]:時間当たりor分当たり? あまり詳しくないもので・・・ 受電変圧器・・・6300kVA:各相の色は赤、緑、黄が一般的です. 変電所主コントロールパネル ボイラ・・・1時間当たり20tの水を蒸気にできる.自然循環型. ではまた ★99.04.19 中国からの体験記(13)中国の保安体制1 坂林さんこんにちは ご質問の電気保安体制ですが、通訳の方になかなかうまく理解してもらえないようで して、こちらの意とするような回答がなかなか得られません.そこで、誠に恐れ入り ますが、どのようなことを調査すればよいか、もう少し具体的にご質問願えませんで しょうか.申し訳ありません.よろしくお願いいたします. さて、本日再度変電所の関係者に保安規定はないかと尋ねたところ、国が定めている 保安規定みたいなものを見せていただけました.現在翻訳中ですので、完了次第 レポートできると思います. ところで、とてもうれしいニュースがあります.電気と資格の広場で、私の投稿 レポートを見たという方から応援メールをいただきました.またやる気が沸いて きました.がんばってレポートしたいと思います. では. ★99.04.21 中国からの体験記(14)中国の保安体制2 保安規定 坂林さんこんにちは さて、先回の回答ですが、保安関係の質問特に法律関係は、私が質問すると、そ んなことを知ってどうするんだ?なぜそんなに知りたがるんだ?といわれ、やや 不審感を抱かれながらも、少しだけ話が伺えましたので、レポートいたします. 保安規定 国営の天津市電力工業局からかなり詳細に渡って、制度化されており、○○制度 という通達が、各事業所に配布されています.各事業所は制度に則って業務を行 うとともに、制度に無いことは行ってはいけない規則になっています.例とし て、 安全保衛制度・・・安全保護規則 巡視検査制度・・・巡回点検規則 値班人員職位責任制度・・・変電所職員の職場における責任 値班人員交接班制度・・・変電所職員の引継ぎ時の注意事項 工器具管理制度・・・工具および器具類の管理 設備欠陥管理制度・・・設備事故時の対処 などです.電気事業法にあたるものはたぶんないと思います.上記電力局が発行 しているものが、自主保安規定にあたるのでしょうか?ただし、国営ですので法 律に価しますが. 電気主任技術者 主任技術者制度はありません.先回もお伝えしましたが、変電所職員は全員が 「電工進網作業許可証」(電気ネットワークに接続および関係する作業の許可証) という資格を取得している必要が有ります.取得方法は、年1回電力局主催で実 施される教育(2週間)を受講した後、終了試験に合格することで取得できます. 権威ある資格のようです. 電気用品取締法 市場経済に移行中ですので、どこまでが公でどこからが私なのか不明です.共産 で考えれば、電気用品を売る側が国ならば、買う側も国ということになり、お互 いの利害関係がはっきりしませんので、特に必要無いことになります.ですから 法として規定されていません.電気機器も品質のばらつきが大きく、粗悪商品や コピー商品がいたるところで見受けられます. 余談ですが、中国では以前の日本がそうであったように、知的財産というものの 意識が全く無く、音楽CDやパソコンソフトなどコピー商品があふれてます.こ のあたり、今後法整備が進むものと思われます. 続き次回レポートします. ★99.04.23 中国からの体験記(15)中国の保安体制2 信号機 坂林さんこんにちは 前回の続きいきます. 電気用品ですが、日本のJIS規格みたいなものでしょうか、中国独自の技術標準が 有ります.(GB7676,ZBN21012,ZBY320など)これら技術標準に適合するよう要求して いますが、適合してない部品も多数出回っています. 電気工事士法 これ先回メールしましたが、電気技術ランク初級・中級・高級というやつです. 中国内であれば、どこでも使えるそうです.ですが、元国営企業など大きな工場は 別として、世間一般のいわゆる電気屋さんみたいなところはもぐりが多いみたい です.郊外では自分たちで勝手に電気配線を行ったような電柱をよく見かけます ので. 点検ですが、2回/年全停作業で受電設備の点検を行います.点検はすべて 電力局が実施するため、内容は不明です.日常の点検は勤務交替時と通常巡回による 点検です.勤務は4直体制で終日人員が詰めています.点検内容は、 油面レベル、油温、色、漏れなど ガイシ類外観点検、汚損、閃絡痕の有無など ケーブルの外観、弛み、たるみ、接続箇所の過熱状況 変圧器の音、温度、安全ブローホール、呼吸器、乾燥剤の変色、冷却装置の運転状況 遮断器の開閉指示および表示、内部異音、油漏れ、油圧力など 真空遮断器の消弧室に遮断時、遮へいカバー内にアークによる赤色あるいは乳白色の アーク光無きこと 避雷器内部異音、放電記録メータの数字がはっきり見えること コンデンサ内部異音なし、カバー油漏れ変形なし、放電回路のランプ正常、 保護ヒューズ運転正常 電力ケーブル終端異常現象なし 整流器運転状況、異音、過熱、におい 直流系統電圧、絶縁良好 各種測定器、継電器、自動装置および音信号正常動作すること、表示機ランプ チェック 上記ほか特殊巡回点検項目(雪、雨、霧、雷、大風、雹、冷気、夏季、雨季、 高負荷時、月二回小動物による危害)が定められています.すべて電力局が制定 したものです. ちなみに事故停電は、1回/月の頻度で発生しています.再送電まで、7〜10分が 普通です.変電所には事故発生時の対処方法など、マニュアルが全くありません. ですから、停電が発生すると毎回半日〜一日は設備停止が発生してしまいます. (現在マニュアル整備中です.とほほ…)病院など、どうしているんだろう?とても 自家発が有るとはおもえないし... 画像データとして、電気が来てない道路信号添付しておきます.信号点灯しませんが 無言の秩序みたいなものがあって、みんな信号で停止しています.私たちではとても 車を運転できそうに有りません. もう一つ追伸で、最近急に応援メールをたくさん頂くようになりました.毎日メール の送受信が楽しみになっています.随時お知らせしていきたいと思います. (発信者に再信の許可を伺っております) ではまた. ★99.04.28 中国からの体験記(16)変圧器の保護機構 変圧器の保護原理図 坂林さんこんにちは 中国出張もいよいよ大詰めとなり、最後のまとめ等で少しメールの間隔が開いてしま いました. 先日変電所関係のことを伺ったときに、変圧器の保護原理図を入手しましたので、 レポートします. 保護継電器の種類は、電流継電器(過電流)、差動継電器、電圧継電器(過電圧)、 負序電圧継電器(不足電圧)、瓦斯継電器(ブッフホルツ?) 私、特高、高圧関係経験が有りません.また、シンボルが中国独自?で書かれてます ので、原理図見ても良く分かりません.画像添付しておきますので、一度ご確認くだ さいませ. それと、主変圧器の中性点は接地していません.また、日常使用している、220V ラインについても接地されていませんので、注意が必要です. 話は変わりますが、当工場には溶解炉が有りますので、常時冷却水ポンプを運転して います.ポンプ室へ行ってみると、常時オペレータが詰めていて、2時間おきぐらい に3台の冷却水ポンプを順次切り替えています.理由は、地下1300mから水を くみ上げているのですが、どうも温泉のようで47℃有ります.そのため、2時間 ぐらいすると、ポンプおよびモーターが過熱してしまうので、切り替えなければなら ないようです.工場内の冷却水はほとんどこの地下水を利用しているため、過熱に よるトラブルも多く発生しています. 余談ですが、中国の元国営企業のほとんどの工場には、地下に従業員全員が入れる だけの防空壕(シェルター)が有ります.また、国民は全員が学校教育等で銃の扱い 方の訓練を受けていますので、いざ鎌倉(北京?)のときには全員が出兵できるそう です. ではまた ★99.04.29 中国からの体験記(17)中国電力事情最終回 レポートの筆者 坂林さんこんにちは いよいよ帰国となりました.これまで1ヶ月あまり、私のつたないレポートをご掲載 くださり、誠にありがとうございました.心より感謝いたします.また、応援メール を頂きました、青木さん、石掛さん、植村さん、三浦さん、さらに、これまで応援い ただきました関係者、ならびにレポートをご講読いただいた皆様、本当にありがとう ございました.途中苦しいときも有りましたが、何度もメールに励まされました. 電気関係のことを調査することによって、他のメンバーとは少し違った中国を体験で きたような気がします.本当は国営部分の発電所や、変電所など公共の施設に立ち入 りたかったのですが、現状ではやや厳しかったようです.私のレポートも充実しな かったようです.お許しくださいませ. 最後となりましたので、少し自分の考えを述べさせていただきます. 3月の寒い時期、あちこちで焚かれる重油の煙に、資源問題、公害問題について考え させられたのをはじめ、使えるだけ使う電力体制、エアー漏れをさせるために運転し ているようなコンプレッサー、負荷状況に関わらず定出力運転を続けるボイラー、 さらに、PCBや被覆の剥げ落ちた送電線等など、電気の保安、省エネルギーについ てますます関心が高まった中国出張となりました.日本も同じような道をたどってき たのでしょうか?現在高度成長期にある中国へ、今後支援活動にみえる方、また次の 機会があるとしたら、電気の正しい使い方を指導していくことが、私たち技術者の 使命であるような気がします. いろいろあった中国ですが、特に大きなトラブルも無く、無事過ごせたこと感謝して おります.これからも変わった情報がありましたら、掲示板等利用して投稿していき ますので、今後とも末永くよろしくお願いいたします. 帰国後は早速、私のホームページに、リンクを掲載していきたいと思います.よろし くお願いします.レポートで伝えられなかった内容につきましては、今後私のホーム ページに掲載していきますので、機会があればぜひ見に来てください. この度いろいろと話を伺いました、当工場変電所スタッフの皆様の画像添付しておき ます.(中央は私です) それではまたの機会まで.ごきげんよう、再見!