Last Up Date 2000/12/10

Kanon部屋にもどる






あゆの課外授業

序章 きっかけ

「祐一君、ちょっといいかな?」
「なんだ、あゆあゆ?」
「うぐぅ…、あゆあゆじゃないもん」
「うぐぅ」
「うぐぅ…。また祐一君がボクのマネしてる〜」
「で、なんの用なんだ?」
「この前、祐一君が勧めてくれたKANONってゲームやったよ」
「お前も律儀な奴だよな…。わざわざ18才になるまでやらないんだから」
「だって18禁ゲームなんだから当然でしょ?」
「普段は食い逃げしている奴のセリフとは思えないんだが…」
「うぐぅ〜、あの時は後でお金払ったし、もう食い逃げはしてないよっ」
「まぁ、それはいいとしてだ…。で、どうだった?」
「うん、とっても良かったよっ!」
「どこが、特に良かったんだ?」
「全部っ!」
「おいおい、俺は特に良かった点を聞いているんだぞ…?」
「一番は…ヒロインの山場の所かな?」
「『…ボクのこと、忘れてください…』だったな」
「うん。とっても感動的だったよね」
「あのシーンには何度と無く泣かされたからな…」
「ボクも泣いちゃった…」
「そうか…。やってよかっただろ?」
「うん…。いいゲームを勧めてくれてありがとう、祐一君」
「そう言ってもらえると勧めた甲斐があるな」
「で…お願いがあるんだけど…」
「ん?」
「昨日の夜、KEYのホームページ覗いてみたんだけど、
 SS掲示板ってのがあったんだ」
「ああ、あそこか。俺も毎日あそこは見ているぞ」
「で、あそこにあるSS読んでたらボクも何か書きたくなっちゃたんだ」
「そうか、がんばれよ」
「…でも、ボク、どうかいたらいいか分からなくて…。
 祐一君、ボクにSSの書き方、教えてくれないかな?」
「…仕方ないか。勧めた俺にも悪いんだからな。
 よし、後でいろいろ教えてやるから俺の部屋まで来い」
「なんか、周りに誤解されそうだけど…分かったよっ」


第1章 基礎編


「まずはSSに限らない、文章、特に小説系に共通する一般的な所からだな」
「うぐぅ、それくらいだったらボクも知ってるよ〜」
「本当か?」
「本当だよっ」
「本当に本当か?」
「本当に本当だよっ」
「本当の本当に…いや、ここらでやめておくか…。
 よし、だったら注意点をあげてみろ」
「うん。
 まず、文体を統一する事、だよねっ。
 一つの文章中にいろいろな文体が出てくると、読む人が混乱しちゃうから」
「ああ、そうだな。
 ま、テクニックとしてはそれを逆手にとって、
 わざと混乱させる方法もあるにはあるが、
 慣れるまではやらない方がいいな」
「うん、ボクは初心者だからそれはやらないよ」
「で、次は?」
「次は禁則関係だよ。
 WEB上のSSでは1行の長さに制限がないから、
 改行時の禁則は考えなくてもいいんだけど…」
「一応、言っておくとDNMLだと禁則には気をつけないといけないからな」
「DNMLって?」
「DNMLというのはビジュアルノベル系ゲームを再現することのできる、
 フリーソフトだ。SS系のサイトを覗けばすぐにDNMLサイトへの
 リンクを見つけられるはずだ。
 DNMLは今回の講義の対象ではないから、詳しい説明はしないぞ」
「う、うん。…で、続きになるけど。
 小説系では感嘆符、疑問符の後は必ず一文字開けるんだよね」
「それは違うぞ」
えっ!? どこが悪いの?
「ほら今のお前のセリフがそうだ。
 感嘆符、疑問符が連続する場合は最後の後に一文字空けるんだ。
 また、セリフの終わりの場合は空ける必要が無い
ぞ」
「そっか、そうなんだ…」
「あと、本来の発言・表現では無く、引用して使っている場合も空けない」
「引用…。さっきのえっ!?みたいなセリフをこうやって使うときだね」
「まぁ、引用するときは二重括弧を使う方法もあるけどな」
「うん、『二重括弧を使う方法』、みたいな感じだよね」
「そうだ。よく分かったな?」
「ボク、理解力は有るもん…」
「で、他にはあるか?」
「えっ、えっと…。
 あと、セリフの終わりの読点はつけない、ってのがあるよね?」
「ああ。
 これは普通に文章書くときには言われることでは無いんだがな。
 WEB上や活字でみるとどうしても余分に場所をとってしまって、
 きれいに見えなくなるから無くすことがほとんどだ」
「これは、小説を良く読んでるから分かるよ。
 『無くすことがほとんどだ。」』とかだとなんか変な感じになっちゃうんだ」
「これは慣れの問題でもあるけどな…。
 だけれど、小説の書き方は文章をより読みやすくするために、
 出来上がっているから、そちらを参考にするのは読み手にとっていいので
 マネしておくべきだろう」
「そうだね」
「他には、なにかあるか?」
「あとは、無理に難解な表現を使わないことかな?」
「それに関しては内容にもよるんだが…」
「だって『烏滸がましい』なんてあっても、読みにくいだけだよ」
「『うーろんがましい』になるのが落ちだな」
「…もしかして、祐一君読めない?」
「馬鹿な事をいうな。
 『おこがましい』に決まってるだろうが」
「うぐぅ…」
「最後に…日本語はできるだけ正しく使うようにすること
「良くある、『こんにちわ』だね」
「発音だとそうなるけど、書くときは『こんにちは』だからな」
「ら抜き言葉とかはどうするの?」
「それは内容によるな…。けれど、一般に広まっている使い方はまず問題ないと思うぞ」
「そうだね。どこかのコンビニのアレも定着してるし」
「本当は『用誤』も使って欲しくはないが…こればかりは本人の知識の問題だからな…」
「『用誤』? 『用語』じゃなくて?」
『用誤』というのは本来と違った使われ方、誤った単語を指す言葉だ。
 ま、これ自体がマイナーな造語なんだが…。
 例えば…。あゆ、『ハッカー』の意味、分かるか?」
「ええと、すごくコンピュータが出来る人、の尊称だよね」
「そうだ。けれど、一般的にはコンピュータ犯罪者を指す単語として使われてしまっている」
「他にも『インターネット』とか『ホームページ』とか…」
「どちらもすごい使われ方をしているからな…」
「でも、『ハンドルネーム』よりはましだと思うよ」
「それは完全な『用誤』だな。
 『ハンドル』単体で識別子の意味があり転じて名前を指すこともあるのに、
 さらに『ネーム』をつけるんだからな」
「『ペンネーム』とかと混ざっちゃったのかな?」
「多分そうだろうな…。
 ともかく、セリフとかで使うのでなければ『用誤』は使用しないようにする。いいな?」
「うんっ!」


第2章 KANON基本編


「あ、あゆちゃん来てたんだね」
「名雪さん、こんにちは〜」
「あゆちゃん、こんにちは、だよ」
「お前ら、ついさっき学校で別れたばかりだろうが…」
「会うたびに挨拶はしないと駄目だよ」
「うん、そうだよっ」
「ま、いいけどな…」
「そういえば…祐一と何をしていたの?」
「祐一君にSSの書き方を教わっていたんだよ」
「SS…?」
「SSというのは二次創作小説を指す略称だ。
 …SS自体は本来はショートストーリーの略なんだが、
 最近では二次創作小説を指すサイドストーリーの略とされている」
「わ、そうなんだ。ひとつお勉強になったよ」
「ね、名雪さんも一緒にどうかな?」
「…うん。祐一、わたしにも教えてくれないかな?」
「ま、いいけど…。
 それじゃ、KANONに関する基本的な事に行くぞ」
「うんっ」
「まずは各キャラクターの呼び方、だな」
「『ボク』とか『祐一君』とかの?」
「そうだ。原作のあるSSでは書く人によって書き方が違っていても、
登場人物の呼び方はそうは変わらない
からな。
 これが変わるとかなり読みづらくなるぞ」
「でも、結構人数がいるから大変だよ…」
「一応、まとめておいた。これを見てくれ。
 左側が呼びかける人間、上側が対象の人間だ」


祐一名雪真琴あゆ香里佐祐理秋子天野
祐一名雪真琴あゆ香里佐祐理さん秋子さん天野
名雪祐一わたし栞ちゃん真琴*5あゆちゃん香里*1お母さん*2
祐一さん名雪さん−−−−−−あゆさんお姉ちゃん−−−*2−−−
真琴祐一*2−−−*3−−−−−−−−−−−−秋子さん*2
祐一*5−−−−−−−−−−−−佐祐理−−−−−−
あゆ祐一君名雪さん栞ちゃん−−−−−−ボク−−−−−−秋子さん−−−
香里相沢君名雪−−−−−−−−−あたし*5*2*5
佐祐理祐一さん*1−−−−−−−−−*5*4−−−−−−
秋子祐一さん名雪栞ちゃん真琴−−−あゆちゃん*2−−−わたし−−−
天野相沢さん*2−−−真琴−−−−−−*5−−−−−−
*1:電話での応対時は名雪>佐祐理が「倉田さん」
*2:面識があるのだが、本文中に呼称無し
*3:通常は「真琴」 「あたし」でも一応は可
*4:通常は「佐祐理」 一人称表記中は「わたし」
*5:見たことはある、程度。記憶に無い可能性大

「わ、いっぱいあるんだね」
「他にも呼び方、あったと思うんだけど…」
「北川とか久瀬とか他のキャラの分は外した。
 どうせ、連中は出番が少ないし」
「うぐぅ…。ちょっとかわいそうだね…」
「あと、書かなかったマイナーな呼称は他にもあるぞ。
 あゆの『キミ』とか、名雪の『あの子』とか…。
他には俺の『殺村凶子』とか『あゆあゆ』とかもあるにはあるし。
このあたりは話の都合で変化しているので元のシナリオを参照するしかないな」
「祐一、この中で注意しないといけないのはどれかな?」
「そうだな…。あゆの『栞ちゃん』と栞の 『あゆさん』かな。
 きちんと書かれてはいるんだが、回数が少なすぎる。
 結構気づいていない人もいるぞ」
「ボクの方が年上だからね」
「お前の方が年下に見えるけどな」
「うぐぅ…」
「そんな事言ったら駄目だよ〜」
「ふっ…。それはともかく…だ。
 この表を見れば、本来会っていないキャラ同士の呼び方も推測できる。
 例えば秋子さんが他の人を呼ぶときは、俺はさんづけ、他の家族は呼び捨て、
 女の子はちゃんづけ、となる。
 だから、『香里ちゃん』『舞ちゃん』といった感じで呼ぶことになるはずだ」
「ふうん、奥が深いんだね…」
場合によってはこれ以外の呼称を使うこともあるだろうが、
 これだけは基本として覚えておくこと
。いいな?」
「うんっ」
「ちなみに秋子さんの『祐一君』等、間違えているのも本文中にあるぞ」
「えっ、お母さんがそんな呼び方したことあるの?」
「おう。ま、どこでかは自分で探してみてくれ」
「祐一君のいじわる…」
「疑問に思ったことがあったら自分で調べる癖はつけないと駄目だからな」
「調べるってどうやってやるの?
 わたし、そのたびに全部やり直したくないよ…」
「あ、ボク、いい方法知ってるよっ!
 テキスト化ツールっていうのを使って、本文中のテキストを抜き出せるんだ」
「一応言っておくが、現在公開されているものは無いぞ。
 前は公開されていたんだが『くれくれ厨房』のあまりの多さに閉口して
 公開するのをやめてしまった
からな」
「人に頼み事するときはきちんと礼節を守らないとねっ」

「さて、次は各キャラのしゃべり方だな。
 これがきちんとできていれば会話のみのSSも書けるようになるぞ」
「今のわたしたちの会話みたいに?」
「そうだ。特に多人数を出すとき、あるいは一人称で書くときに重要だからな。
 一人称または三人称を入れることで識別させる方法もあるにはあるが、
 しゃべり方の方で見分けることできる方がより望ましいぞ。
 では、以下の部分を見てくれ」

祐一:
本編全部参照。
基本的にラフなしゃべり方。ふざけた発言も多い。
名雪:
だよもん星人(笑)
基本的にのんびりとした発言が多い。
あゆと似ているため、区別を付けたいときは、あゆに『っ』を多用するようにする。
栞:
敬語、丁寧語中心で語尾に『です』を多用。
やや甘えた感じにすること。
真琴:
体言止めを多用。
子供っぽくすること。
舞:
発言を短くする。
沈黙が多い。
あゆ:
だよもん星人(笑)
名雪より元気良く、男の子に近い発言をする。
香里:
いわゆる、女性言葉を使う。
佐祐理:
丁寧語中心。
語尾をのばすことがある。
なお、佐祐理視点一人称では違う表現を用いるのが正しい。
秋子:
常に丁寧語で。
優しく感じられる言い回しを多用する。
天野:
丁寧語中心。
ただし、冷静さを強調するようにする。

「まぁ、詳しくは本編参照すれば分かると思うが…」
「お母さんと栞ちゃんと倉田さんと天野さんの発言が混ざりやすそうだね」
「うん」
「お前らも混ざりやすいぞ」
「そうかな…?」
「わたしたちは分かるけど?」
「そりゃ、言ってる本人は分かるだろうさ。
 でも、SSでは読んでくれる人が分からないと困る
「あ、そうだね」
「うんっ、注意して書くようにするね」
「あえて混ぜるようにする方法もあるが、これは例外だと思った方がいいな」
「ね、祐一。口癖で見分けるようにするのはどうなのかな?」
「口癖は使いすぎるとくどいから、どうしても、というところにだけ入れる方がいいな。
 それじゃ、次は口癖の一覧だ」

祐一:
特に無し
名雪:
「くー」
「あ」「わ」「え」などの単音
「うー」
栞:
「そんな事言う人、嫌いです」
「うー」
「冗談です」
真琴:
「あぅ〜」
舞:
「………」
「嫌いじゃない」
あゆ:
「うぐぅ」
香里:
「冗談よ」
佐祐理:
「あははーっ」
「はぇ〜」「ふぇ〜」
秋子:
「了承」
「企業秘密です」
美汐:
特に無し

「このなかで注目すべきは舞だな。
 発言しない事が口癖になるやつなんて、滅多にいないぞ」
「うん、確かにそうだねっ」
「ね、栞ちゃんの『起きないから奇跡って言うんですよ』は?」
「あれは長いし、通常の会話中には使いにくいのであえて外した。
 それに他の口癖より使用回数が少ないからな」
「あ、でもギャグになら使えそうだね」
「そういう使い方は別に構わないが…」
「ねっ、祐一君、『はちみつクマさん』は?」
「舞のあれか? あれは一度しか発言してないぞ?」
「あれ、そうなんだ?」
「SSでは多用される傾向にあるから、ある意味口癖だが…。
 まぁ、特には言わないでおくか…」
「他には何かあるかな、祐一君?」
「他にか…。
 そうだな、単語変換ミスに注意することかな?」
「どういうこと、祐一?」
「例えば本文中ではたい焼きは必ず『たい焼き』だ。
 『たいやき』でも『タイヤキ』でも『鯛焼き』でも無い

「どれでもお腹に入れば一緒だよ?」
「馬鹿。本文で『たい焼き』となっている以上、
 『たい焼き』とするのが二次創作でのマナーだ」
「それじゃ『ストロベリーサンデー』は?」
「論外だな。だいたいそれはどう見ても校正ミスだしな」
「あ、やっぱり祐一もそう思うんだ」
「当たり前だろ。あれほど『イチゴサンデー』を連呼している名雪が、
 あの時だけ『ストロベリーサンデー』と言うはずがない」
「なんか複雑だよ…」
「あと、こいつはどれでも間違いでは無いんだが、
 注意して欲しいのが、俺のセリフの『馬鹿』『ばか』『バカ』だ。
 名雪、栞、あゆのシナリオでは『馬鹿』だけで、
 真琴、舞のシナリオでは『馬鹿』『ばか』『バカ』を全部使っている」
「書いた人が違うからそのままになっちゃってるんだね」
「そうだ。だからどれをつかっても間違いではないが、
 会話の雰囲気に合わせて選択するべきだろうな」
「うんっ」
「ちょっと疲れたな…。すこし休憩でもするか…」
「それなら、紅茶入れてくるね」
「ボクも手伝うよ」


第3章 公開編


「書くときに守らないといけない点については一通り説明できたな…」
「そうだ。祐一君、ジャンルってどんなのがあるの?」
「ジャンルか?
 今、SS掲示板で見られるのは大体次のように分類できるな」

・大分類
ほのぼの系
ラブラブ系
シリアス系
ギャグ系
漢の浪漫系
・小分類
ほのぼの−原作補完型
ほのぼの−パロディ型
ほのぼの−独自展開型
ラブラブ−原作補完型
ラブラブ−パロディ型
ラブラブ−独自展開型
ほのラブ−原作補完型
ほのラブ−パロディ型
ほのラブ−独自展開型
シリアス−原作補完型
シリアス−パロディ型
シリアス−独自展開型
ギャグ −一発型
ギャグ −パロディ型
ギャグ −壊れ型

「例えば、この『あゆの課外授業』はほのぼの−独自展開とでも言うべきだな。
 内容が内容だからSS、というのはかなり問題があるが」
「………?
 祐一君、この『漢の浪漫』ってなに?」
漢(をとこ)の浪漫だ。漢コスモが無いと理解できん」
「祐一が壊れちゃったよ〜」
「いや、某解説図SSにそうなっていたから…。
 別に俺は壊れていないぞ」
「うー…」
「で、結局なんなのかな?」
「自分で探して読め。そうすれば分かる」
「うぐぅ、いじわる〜」
「それはどうでもいいからおいておくとして、だ。
 基本的にジャンルは書き上げた後で分類を考えれば十分だ。
 先に決める必要はないぞ」
「ようするに、書きたいように書けばいいんだよね?」
「そうだ。書きたい物を書く、それが一番だ」


「祐一君、SS書くのはいいんだけど、コメント無かったらどうしよう…」
「なんだ…そんな事を気にしているのか?」
「うぐぅ、だって…」
「まぁ、コメントはSS作家の栄養とでも言うべき物だからな。
 誰だって自分のSSにコメントがついていれば嬉しいし、
 全く付かないと思いっきりダメージに繋がる…」
「結構、大変な世界なんだね…」
「だからと言ってコメントが付かないからやめる、とか言うのは論外だぞ」
「えっ!?」
「よほどセンスが無い限り、いつかはコメントの付かないSSを書いてしまうこともある。
 いちいちそれでくじけてしまうようだったら『痛い』系のSSも書けないだろうが」
「………」
「俺はそれを乗り越えられてこそ、一人前のSS作家だと思う
 逆にネタにして笑い飛ばせるくらいの強さが無ければSSなんて書かない方がいいくらいだ」
「そ、そうかな…?」
「ああ。それに最近は出来るだけコメントつけてくれる人もいる。
 暗闇をおそれずに飛び込めば、きっといいことがあるさ」
「うん…わかったよ…ボク、頑張るよ」
「よし、それでこそあゆだ」
「頑張ってね」


「あ、掲示板にSSを書き込む時に注意しないといけないこと、何かあるかな?」
「そうだな…、まずはタイトル、こいつは他の作品とかぶらないようにすること。
 まぁ、最近見たこと無ければ、問題は無いが」
「祐一、いいかげんだよ〜」
「そんな事は無いぞ。
 ようは、タイトルがきちんと内容を表せればいいのだからな」
「うんっ」
「で、かならず、SSの頭のところで簡単に内容のジャンルについて説明すること。
 頭に書いておくと一覧表示の時にも見れるから結構便利だ」
「めもめも…」
「後は、もし長編になるようなら分割して書き込む事。
 また、連載なら前回のSSのURLを書いておく事。
 これは必須では無いが、こうした方がいい、という程度のものだ」
「めもめも…」
「メモメモ…」
「………。
 で、HP等のURLも前書きに書いておくこと。
これは検索で探したときにすぐに見つけやすいようにするためだ」
「ボク、HP持ってないよ…。作っては見たいんだけど…」
「ん? そう言うときはジオなどの無料で容量をわけてくれるサイトを探して、
 作るのがてっとりばやいぞ」
「それだったらお母さんに頼んでうちのサーバに置くといいよ〜」
「そんなのあるのか?」
「うん。おっきいのが地下室においてあるよ。
 アカウントもクラスBで押さえてあるって言ってたし」
「クラスB!? さすがは秋子さんだな…」
「どういうこと?」
「ようするに大手プロバイダが出来るだけのアドレスを持っているってことだ」
「ふ〜ん」
「回線も今度1Gに増設するって」
「うわ〜、すごいね〜」
「一体、何をやったら自宅に1G回線なんているんだ…?」
「う〜ん、お母さんのお仕事でいるみたいなんだけど…よく分からないよ」
「ともかく、俺もその回線使わさせてもらうとするか…」


「で、KEYのSS掲示板以外にも公開するための方法はある。
 さっきも話したHPにアップする方法だが、
これだけではリンクも何も張られていないので誰も来てくれない」
「どうしたらいいのかな?」
「『かのん−SSLinks』という場所があるので、
 そこに登録を依頼するといい。結構な人数が見に来てくれるようになるぞ」
「でも、感想はあまり書いてくれないから期待しない方がいいみたいだよ」
「なんで、そんなことを知っているんだ、名雪?」
「だって、祐一がこの前こぼしていたから」
「うぐぅ」
「あ、祐一君も感想書いてもらってないんだ」
「でも、たくさんの人が見に来ているのは確かだからな、
 いつかは俺の漢コスモに同調した人間が現れるに違いないのだっ!」
「うぐぅ、また漢コスモが出てきた…」


「最後になるが…SSはただ書いているだけでは駄目だ。
 他の人のSSを読んできちんと感想などを書き込むようにするといいぞ」
「さっきのSS作家の栄養って話かな?」
「それもある。
 他のSS作家のいいところを学び、悪いところで我が身を振り返る
 そうすることで自分の向上にも繋がるんだ」
「祐一らしくないよ〜」
「ほっとけ。
 SS書きというのは本人の努力と向上心が必要だから、
 どんなにつらくても、決してあきらめるんじゃないぞ」
「うんっ。
 祐一君、いろいろと教えてくれてありがとうっ!」
「ぐわっ!
 つ、つぶれる…」
「やっぱり、祐一とあゆちゃん、仲いいよね〜」






made by Katyua Powell